2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H02960
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 勝文 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (20453582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 展行 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00313263)
船本 健一 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (70451630)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シリカ / マクロファージ / 炎症 / 貪食 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
シリカやアスベストの大量暴露は塵肺という難治性疾患を引き起こすが、その分子機構としてこれら微小粒子状化学物質を取り込んだマクロファージ細胞内のNLRP3インフラマソームの活性化が関与することが判っている。しかしながらマクロファージがどのように細胞表面上でこれら粒子を認識するのかはよく判っていない。そこで本研究は、マクロファージによる粒子状物質の認識機構を解明することを目的としている。今年度に我々は、マウス骨髄由来マクロファージcDNAライブラリーを用いたノンバイアスな機能的スクリーニング法により、シリカ受容体としてクラスBスカベンジャー受容体メンバー1(SR-B1)を同定した。さらにSR-B1のホモロジーモデリングを行い、SR-B1の細胞外アルファヘリックスを構成する2つのリジン残基がシリカ粒子の結合に重要であることも明らかにした。動的光散乱法によりシリカ粒子の流体半径を測定するとナノサイズであっても実際の細胞培養液中ではマイクロサイズに凝集しマクロファージに認識されることが判明した。さらに抗マウスSR-B1中和モノクローナル抗体および抗ヒトSR-B1中和モノクローナル抗体を樹立し、これらの抗体を用いてSR-B1の機能的発現を解析した。その結果、マウスマクロファージおよびヒト末梢血単球のシリカ認識およびCaspase-1インフラマソーム活性化はこれらの抗体によって抑制された。以上の結果は、SR-B1はマクロファージのシリカ認識およびその後の炎症応答に関与すること示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリカ受容体としてSR-B1を同定し、マウスおよびヒトの系においてシリカ粒子に対するマクロファージ炎症応答におけるSR-B1の関与を明らかにすることが出来たため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
塵肺モデルマウスを用いて、SR-B1およびそのファミリー分子の肺線維化における病理的役割について解析を進める。
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Research Products
(7 results)