2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and performance evaluation of 3D Digital Virtual Dress Dummies for International Competitiveness of Japanese Apparel Industry
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16H03029
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
渡邊 敬子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (80369652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 あおい 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10230111)
大塚 美智子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30233183)
諸岡 晴美 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40200464)
丸田 直美 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70183621)
石垣 理子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (70185875)
小山 京子 美作大学, 生活科学部, 准教授 (70351939)
持丸 正明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究部門長 (90358169)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 3次元計測 / 人体 / バーチャルボディ / 相同モデル / クラスター分析 / 衣服設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
ISOやIEEEなどでは人体の3次元計測データやバーチャルボディ評価の規準化が進められている。アパレル用3D-CADが普及し、各国で収集された人体の3次元データがバーチャルボディとして利用されていくことが予測される。しかし、国際的にも3次元計測データの解析に基づいた科学的なボディ開発やその手法は未だ確立されているとはいえない。 そこで、本研究ではこれらの基礎となる人体の3次元形状解析とボディとしての要件を満たす動作適合について検証することを目的としている。昨年度までに目標人数の人体計測データを採取し、当該年度は20歳から79歳までの男女の身体を上半身と下半身に分けて主成分分析を行い体型の個人差が出現する要因を抽出し、その主成分得点に基づいたラスター分析によって体型の類型化を行った。このクラスター(体型グループ)ごとに平均形状を算出したり、身体寸法の基本統計量を求めるなどして、その特徴を明らかにした。そのうえで、年齢層ごとに類型化したがどの程度の割合で存在するのかを算出して、年齢と体型との関係について検討した。その結果、年齢層によって各グループの出現頻度は異なり、体型と年齢との関係が示唆された。しかし、各グループはおよそいずれの年齢でも見られ、特に30~50歳代では各グループが混在していた。したがって、年齢層ごとに単純に体型をとらえるのでなく、同じ年齢層にも様々な体型が混在していることに配慮した衣服の設計が必要と言えた。 最終的に、各グループの平均形状を3次元CADにバーチャルボディとして取り込んだ。今後はこのボディに動作のためのゆとりなどを入れて衣服を設計し、その有用性について衣服圧や官能評価によって検討する予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人体計測は、男女併せて1000名以上のデータを収集した。20、30、40、50歳代と60・70歳代の5つの年齢層に分け、それぞれの人数バランスをとるために、男性は50人ずつ250名、女性は30名ずつ180名をランダムに選出し、バーチャルボディ設計のための体型の分類を行った。全身を相同モデル化して解析した場合、身長や肥り痩せ、あるいは腕の開き具合などが、個人差を表現する主成分として抽出され、体の形の特徴を捉えにくいため体幹部のみと下半身のみの相同モデルを作成し、男女別に解析を行った。 男性の体幹部を例に挙げると、主成分分析を行った結果、寄与率4%以上の主成分は7個抽出され、累積寄与率は75.9%となった。このうち体のねじれなどを除いた4個の主成分の主成分得点を用いて、クラスター分析を行い7つのクラスターに分類した。各クラスターに属する被験者の平均形状や身体計測値の基本統計量を求めて検討した結果、各クラスターの特徴が明らかとなった。さらに、年齢層ごとに出現頻度を算出し検討した結果、各クラスターはおおよそいずれの年齢層にも存在するが、20歳代と60・70歳代では40%以上を占める特徴的なクラスターが見られた。しかし、30歳代から50歳代は、各クラスターに分散していることが分かった。これらの結果は体型分類として妥当であり、体型の分類に有効な手法が開発できたと考えられた。また、クラスターの平均形状はそのままアパレル3D-CADにバーチャルボディとして取り込むことができた。この点でも有効な解析結果が得られたと考えている。女性・下半身についても同様の結果が得られた。 一方、ヌードボディと工業用ボディを比較し、衣服設計のために工業用ボディにゆとりが入っている部位を明らかにするとともに、動作による体表の伸びに関する研究結果を調査した。 これらはおおよそ当初の研究計画の通りである。したがって、進捗状況は問題ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、昨年度までは当初の研究計画の通り進んでいる。今後も当初の計画通り、進めたいと考えている。すなわち、個人の3次元計測データや解析によって算出した類型化されたボディを工業用ボディに加工する。この前に、データ工業用ボディとヌードボディの差について、市販されているボディの調査を行う。入手可能なヌードボディと工業用ボディを3次元計測し、両者の差異を定量的に比較、検討する。作成したデータをアパレルの3D-CADに入れ、原型を作成したうえで、上衣・下位の型紙を作成する。伸縮性の少ない生地で衣服を製作し、試着を行う。被験者に動作を行ってもらい、動作時に衣服が身体の伸展に対応できずに生じる不都合を圧力センサーや筋電計や動作分析によって捉える。これによって、3次元の身体のデータを加工して付与したゆとりの量や位置が適切であったかを評価する。これらから適切なゆとりの入れ方を明らかにし、バーチャルボディ作成を行う。また、これまでのデータをまとめて公表していく予定にしている。
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Research Products
(5 results)