2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and performance evaluation of 3D Digital Virtual Dress Dummies for International Competitiveness of Japanese Apparel Industry
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16H03029
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
渡邊 敬子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (80369652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 あおい 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10230111)
大塚 美智子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (30233183)
諸岡 晴美 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40200464)
丸田 直美 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70183621)
石垣 理子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (70185875)
持丸 正明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究部門長 (90358169)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 3次元計測 / 人体 / ゆとり / デジタルボディ / 衣服圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
3Dでスキャンした人体形状や類型化されたグループの平均形状のデータをそのままボディとして用いるのではなく、ドレスボディのようにゆとりの入った形状に変換したものを用いると、より効率良くパターン設計ができると考えられる。 そこで、a)ヌードボディとドレスボディを3D計測し、断面を比較するb)ボディ制作者・ボディメーカー等の聞き取りを行うc)研究室所蔵の体表の伸縮データを再検討するなどして、ゆとりを入れる場所と量について検討した。この結果を参考に、LookStailorXで既存のヌードボディに対して、適量のゆとりを入れたガーメントを作成した。このヌードボディとガーメントデータの差分を利用して、HBM-Rugleでモーフィングによる変形を試みた。腕付根位の周囲長で2cm、5cm、8cmのゆとりが入るように変換したボディを基に、タイトフィットのパターンを作成し、厚地のトワルで実験着を作成した。 モーフィングで変換した断面図を観察すると、意図した箇所にゆとりを付与できていた。また、製作した実験着の外観には不自然なつれや余り皺はなく、衣服圧の検討からは、ゆとり2cmでも日常の小さな動作には対応できることが分かった。さらに、体格が違う男性や子どもにも同様にモーフィングを行ったところ、意図した箇所にゆとりを付与できており、汎用性があることが予想された。 一方、昨年度までは、体型の分類のため、体幹部と下肢部に分けて相同モデルを作成し、解析してきた。全身のモデルは腋下や股下の欠損があり、計測器に付属したソフトの補間では、この部位が実際の位置よりも下方でつながれ、寸法算出や着装シミュレーションの際に問題が生じていた。そこで、ジェネリックモデルやランドマーク位置を工夫することで、これらの位置が正しく表現できる相同モデル作成が可能にした。この方法を用いて、今までに計測したデータをモデル化している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請の段階で、29年度以降を以下のように計画している。 ⑦個人の3次元計測データや解析によって算出した類型化されたボディを工業用ボディに加工する。これに先立ち、データ工業用ボディとヌードボディの差について、市販されているボディの調査を行う。この結果や動作による体表の伸びを考慮し、3次元のデータを動作のためのゆとりを入れた工業用ボディに変形・加工する。⑧作成したデータをアパレルの3D-CADに入れ、原型を作成したうえで、⑨伸縮性の少ない生地で衣服を製作し、試着を行う。被験者に動作を行ってもらい、圧力センサーや筋電計や動作分析によって捉え、付与したゆとりの量や位置が適切であったかを評価する。⑩これを受けて、ボディを修正し、適切なゆとりの入れ方を一般化し、3次元計測データから工業用ボディを設計するための方法を明らかにする。⑪研究内容を公表する開発した3Dのボディは条件を定めた上で、デジタルデータの形で公開する。 現在は⑨の段階まで、完了しており、本年度は⑨の段階の例数を増やして、検証し⑩の段階の一般化について検討したいと考えている。夏ごろまでに実験を終えるとともに、公表に向けてまとめていきたい。また⑪では3Dのボディのデータベース化を考えているが、研究実績に書いたように、データの欠損等の不都合を改良して、相同モデル化し整理を進めている。 そこで、論文作成等についてはやや遅れ気味ではあるが、研究としてはおおむね順調に進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は申請書に書いた、以下の部分を行う予定にしている。 ⑨試作したバーチャルボディを基にして作った原型を伸縮性の少ない生地で製作し、試着を行う。被験者に動作を行ってもらい、圧力センサーや筋電計や動作分析によって捉え、付与したゆとりの量や位置が適切であったかを評価する。⑩これを受けて、ボディを修正し、適切なゆとりの入れ方を一般化し、3次元計測データから工業用ボディを設計するための方法を明らかにする。⑪研究内容を公表する開発した3Dのボディは条件を定めた上で、デジタルデータの形で公開する。 ⑨から⑩の段階について、上半身については予備実験を行っているので、今年は例数を増やして検証したい。一方、下半身については、スカート用のボディで脚部を省略する以外、ほとんどゆとりを入れないことが分かったので、ゆとりを付与せず下半身を類型化した結果が適当であるか検証し、そのバーチャルボディの作成を行う。⑪について、本研究や別の研究課題で計測してきた1000人以上のデータの相同モデル化を行いバーチャルボディとして活用できるように整えたい。そして、一連の研究を論文にまとめ、公表したい。
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Research Products
(5 results)