2017 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病の慢性炎症を惹起する腸管由来エンドトキシンのプロファイル解析
Project/Area Number |
16H03041
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
三好 規之 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (70438191)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢二 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (50360938)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病の要因として、腸内細菌叢の悪化に伴う慢性炎症が重要視されている。腸内細菌が産生する最も強力な炎症誘導物質は、グラム陰性細菌の細胞壁構成分子リポ多糖(LPS)である。生活習慣病患者ではLPSが腸管から血中に移行し高LPS血症を呈するが、LPSは腸内環境に依存した化学修飾を受けるため活性は一様ではない。つまりLPS活性は、生活習慣に依存して量的にも質的にも変化している。 しかし分析が困難であるため、その実態は全く不明である。LPSの脂溶性ユニットであるlipid A は、LPSのエンドトキシン活性を担う最小単位であり、リン酸基が結合したグルコサミン2分子に脂肪酸が複数結合した複雑な化学構造をとる。菌種や生育条件(培養温度、pH、金属イオン濃度など)に依存したlipid A構造の変化・多様性(リン酸基の有無、結合しているアシル基炭素鎖の数、長さなど)はエンドトキシン活性に強く影響している。我々は既にlipid AのLC-MS分析法の開発に取り組んでいるため、本研究では本分析法を応用し、生体内のLPS活性変化を正確に評価し、生活習慣病の新規の予防・治療・診断法確立に向けた基礎研究を展開する。 本年度は、昨年度サンプリングした生活習慣病モデル動物糞便試料の余剰分を用いて、サンプル調製法の再検討を行った。また、修飾lipid Aを生合成する組換え大腸菌を遺伝子操作により作成し、lipid AのLC-MS分析に用いる修飾lipid A標準品調製の検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lipid AのLC-MS分析の際に使用する修飾lipid Aを生合成する組換え大腸菌を作成した。また、前年度に引き続きLipid AのLC-MS分析のためのサンプル調製法について再検討した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究に引き続き、採取してある試料の分析・解析および生物活性試験を行っていく。 研究が順調に進むようであれば、新たな疾患モデル動物の飼育を開始する。
|
Research Products
(3 results)