2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of phosphorus management program for end stage diabetic nephropathy with plasma FGF23 level and vascular endothelial function as markers.
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16H03048
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂上 元祥 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (20283913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 美紀子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50314852)
新田 陽子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70403318)
田中 更沙 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (90733387)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病末期腎症 / 高リン血症 / 血管内皮機能 / FGF-23 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常者へ高リン食負荷試験を行った。健常男子に高無機リン食とリン制限食をクロスオーバーで摂取させ、高無機リン食は血流依存性血管拡張反応:FMD)が低下させることを確認した。また、食物繊維の摂取はFMDの低下を抑制した。 アデニン食を摂取させた腎不全ラットにおいてリンスパークが血管内皮機能に及ぼす影響を解明した。リンスパーク試験にはコントロール食(CP:リン0.6%)と低リン食(LP:リン0.2%)、高リン食(HP:リン1.0%)を用い、16日間摂食させた。LPとHPを2日毎に交互に摂食させるLH群を設定した。リン摂取量に伴い血中リン濃度は変動し、腎不全モデルにおいてもリンスパークが生じることが示された。CP群で20%、LH群で63%に血管石灰化が観察された。リンスパークは腎機能低下状態における心血管疾患に影響を及ぼすことが明らかとなった。 リンによる血管石灰化のメカニズムの解明のため、ヒト血管平滑筋細胞(AoSMc)を用い、リンスパークによる直接的な石灰化の影響を検討した。2日ごとにHPとLP培地に交換し、16日間培養した後、Von kossa染色を行い石灰化評価し、リン酸トランスポーター、骨芽細胞関連因子、血管収縮性マーカーの遺伝子発現量も解析した。その結果は動物とは異なり、リンスパークによる石灰化ならびに遺伝子発現に差は認められなかった。これらの結果から、リンスパークによる血管への影響はリンの直接的な作用以外にホルモンなどの全身的な作用が関与している可能性があると考えられた。 医療現場の調査として、血液透析患者のQOLに影響する食意識とリン摂取量を解析した。血液透析患者60名(男性34名、女性26名)を対象とし、KDQOL-SF、半定量食物摂取頻度調査(SQFFQ)、食意識調査を行った。QOLの総得点の中央値5953点で高群(30人)と低群(30人)に群分け解析した。重回帰分析を行ったところ透析に至った原疾患以外に、「肉類についてどのように心がけていますか」が抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトを用いた研究が計画通り進んでいない。2週間程度継続した高無機リン負荷を計画していたが、対象者が喫食しやすい高無機リン食の開発が順調に進まなかった。そのため準備段階としての単回の高無機リン負荷試験しか実施できなかった。動物や培養細胞を用いた研究は計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトを用いた研究が計画通り進んでいないので、平成28年度の経費の一部を平成29年度に繰り越した。時間がかかったものの、対象者が喫食しやすい高無機リン食が開発できたので、健常大学生を対象とし、2週間程度の高無機リン食負荷試験を実施し、FMDなどを測定する。また、食物繊維などがリンによる血管内皮機能への影響を抑制するかについても検証する。
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Research Products
(25 results)