2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of phosphorus management program for end stage diabetic nephropathy with plasma FGF23 level and vascular endothelial function as markers.
Project/Area Number |
16H03048
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
坂上 元祥 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (20283913)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 美紀子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50314852)
新田 陽子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70403318)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 糖尿病性腎症 / 高リン血症 / 血管内皮機能 / FGF-23 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で無機リンの負荷が血管内皮機能を低下させることを明らかにしている。腎不全患者のQOLを高める目的で血管内皮機能の悪化を予防する食品について検討した。ラットにおいて食物繊維と高無機リン食の同時摂取が血管内皮機能の低下を抑制するかを検討した。リン水溶液投与群(HP)において食物繊維投与が血清リン値の上昇を抑制することを示した。 そこでヒトに食物繊維を長期摂取させて血管内皮機能の変化を検討した。健常若年男性17名を対象とし、2週間にわたり食物繊維摂取させた。食物繊維の摂取の前後に食物摂取頻度調査、便調査、血管機能検査としてCAVI(心臓足首血管指数)とABI(足関節上腕血圧比)、血管内皮機能検査として血流依存性血管拡張反応(Flow Mediated Dilation;FMD)を測定した。2週間の食物繊維の摂取後にFMD値は有意に改善した。また、食物繊維の投与開始前の血清リン濃度(IP)の高い群と低い群でFMD変化を解析した。IP正常低値群では有意な変化を示さなかったのに対し、正常高値群ではFMDが有意に改善した。さらに、食物繊維の投与開始前のFMD値を3分位に分け、FMDの変化量を解析した。FMD下位群において食物繊維投与後のFMDが有意に改善することを示した。このことからIPが高い群とFMD値が低い群において食物繊維投与が有効であることが明らかになった。 血液透析患者ではProtein-energy wasting(PEW)が高頻度でみられる。そこで血液透析患者におけるリン摂取量、食意識・食態度を評価し、PEWとの関連を明らかにした。血液透析患者男女59名(男性40名、女性19名)を対象とし、PEWはアルブミン、BMI、上腕筋面積などで評価した。PEWがある分とない群に分け重回帰分析を行った。「ごはんからのリン摂取量」「食事を楽しんでいますか」の2項目がPEWに影響を与える因子として抽出された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者と動物における検討は順調に進んでおり、今後血液透析患者も対象として研究を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
食物繊維の長期摂取が高リン負荷により血管内皮機能が改善する詳細なメカニズムについて検討する必要がある。食物繊維の摂取期間や摂取量、腸内細菌の変化などとの関連等について調べていく予定である。透析患者ではIP上昇とFMDの低下がみられるため、本研究の発展は透析患者の血管内皮機能低下予防につながるとともに、食事を正しく選択する助けとなると期待される。
|
Research Products
(26 results)