2016 Fiscal Year Annual Research Report
学びの構成原理と学習評価を対象とした教師研修フレームワークの開発と実践
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16H03077
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
笠井 俊信 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (80335570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平嶋 宗 広島大学, 工学研究院, 教授 (10238355)
溝口 理一郎 北陸先端科学技術大学院大学, サービスサイエンス研究センター, 特任教授 (20116106)
益川 弘如 静岡大学, 教育学部, 准教授 (50367661)
大崎 理乃 岡山大学, 高等教育開発推進機構, 助教 (50630802)
永野 和男 聖心女子大学, 文学部, 教授 (60107224)
林 雄介 広島大学, 工学研究院, 准教授 (70362019)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教師教育 / 授業設計力 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々のこれまでの取り組みでは,学習指導案と授業展開シナリオモデルの関係を丁寧に説明することを通して,教員自身による授業の質向上などの有効性を示すことができた.一方で,学習指導案とは抽象度も含めた形式が大きく異なる授業展開シナリオモデルを教員が理解することは容易ではないという問題も明らかになってきた.そこで,教員が普段から活用している学習指導案と授業展開シナリオモデルの構造を視覚的に関連付けること で,教員による授業展開シナリオモデルの理解を支援するシステムを開発した.このシステムによって,申請者ら限られた人材がいなくても教員らが授業展開シナリオモデルを理解できるようになること,学習指導案に明記されない授業の大局的・局所的に適用される学びの構成原理の本質をより効果的に理解することが期待できる. また,教員養成,教員研修,授業研究など様々な機会にて,授業展開シナリオモデルを基盤とした教員の授業設計力向上支援を行ってきた.これまでの取り組みと同様に,岡山大学教育学部,静岡大学教職大学院,岡山県・岡山市教育委員会,静岡県教育委員会,東京都中学校社会科教育研究会に協力をお願いしてきた.その中で,具体的な学習・教授法の本質理解とそれを組み込んだ適切な授業設計力を身に付けさせるために,学習指導案と授業展開シナリオモデルをどのように活用すべきかの調査・分析を行った. 21世紀型スキルを含めた新しい学力観で求められる能力は,創造性やコミュニケーション力など客観的な評価が困難な能力が多く,教員が学習効果を目に見える形で実感するのは難しい.本課題では,教員養成,教員研修,授業研究での実践を通して「どのように学ぶか」の選択によって得られる単なる知識理解を超えた学びの質や深まりとして何を対象に学習評価をすべきかの検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数人の現職の教員に協力をお願いし,新たな学びの構成原理を理解し実践につなげていくプロセスを調査・分析してきた.これらの取り組みによって,教員研修フレームワークの構築に向けた多くの課題を見出すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの取り組みによって得られた知見を踏まえて,教員研修フレームワークを洗練化した上で,再び複数人の現職教員に協力をお願いしていき,更なる課題の分析と教員研修フレームワークの洗練化を行っていく予定である.
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