2016 Fiscal Year Annual Research Report
ビッグデータ時代における異なる学習履歴データを共通の視点で分析する方法論の構築
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16H03083
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
山川 修 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (90230325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 洋一 仁愛女子短期大学, その他部局等, 教授(移行) (20340036)
多川 孝央 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70304764)
徳野 淳子 福井県立大学, 学術教養センター, 准教授 (70451987)
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (90231381)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学習履歴 / ウェアラブルセンサー / 3軸加速度センサー / 学習のモデル化 / 問いを立てる / 関係性を創る |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の目標は「LMSの学習履歴を使った学習スタイルの類型化」であった.そのため,文脈が近い授業および文脈が通り授業において,共通の学習スタイルを抽出するという手順で進める予定であったが,現在,少々遅れ気味である. ただし前後するが,平成29年度の目標である「プロファイル等を加味した学習スタイルの類型化」に向けては,ウェアラブルセンサー(3軸加速度センサー)を学生につけてもらい,そのセンサーが感知した体の動きから,アクティブラーニング時の,学生が属しているコミュニティを判断するという研究は,ある程度身を結び,教育システム情報学会の論文として掲載された. また,平成30年度以降の目標である「データに合致する構成的モデルの構築」や「構成的モデルの定量化による力学系モデルの構築」に関係して,学習のモデル化という研究を進めている. 現在,複数の大学の協働で実施している地域の問題解決型授業(アクティブラーニング)のキーコンセプトを割り出し,学習に必要なものとして,「問いを立てる」という行為と「(信頼の)関係性を創る」という行為が重要であることを突き止めた.現在,この2つのコンセプトを軸に,学習のモデル化を図っているところである.この方向の研究に関しては,アクティブラーニングのキーコンセプトに関しては,日本教育工学会の研究会で発表を行った.また,キーコンセプトを軸にした学習のモデル化に関しては,平成29年度の教育システム情報学会の宣告大会で発表の予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度前期に対応をつけようと考えていた科目は,コンテキストが近いというよりは同じ(同一科目で演習内容も同じ)で,コンテキストが近い科目の中で共通の学習行動を見つけるということにそぐわなかった.後期の科目で,同一科目ではあるが,授業内容にバリエーションがあるものがあったので,現在,そちらに焦点をあて,解析を進めている.しかし,後期の科目なので,データが落ち着くのが2月になり,それから解析を初めているので,若干予定に遅れがでている.
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り,コンテキストが近い授業と遠い授業で,共通の学習行動を見つける研究を進める.また,LMSやeポートフォリオ上のデータから割り出した学習行動と,ウェアラブルセンサーから判断した行動特性,それに,アンケートを分析した結果からわかるプロファイル等を組み合わせた,学習タイプを推定する.さらに,それらを使い,構成的手法,力学的手法,圏論的手法を利用し,学習のモデル化に結びつける方向で研究を実施する.
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