2017 Fiscal Year Annual Research Report
微小断層変位地形および山体重力変形地形による活断層の連動史の解明
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16H03112
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金田 平太郎 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (30415658)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 変動地形 / 活断層 / 山体重力変形 / 連動破壊 / 航空レーザー測量 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に開始した根尾谷断層温見白谷上流地点および黒津断層黒津地点におけるトレンチにおいて,ひきつづき壁面観察・検討および追加試料採取を行った.また,採取した試料のテフラ分析・C-14年代測定を実施した結果,根尾谷断層北部については過去4回,黒津断層については過去2回の活動時期が明らかとなった.温見白谷上流地点においては,段丘面上に残存する巨礫の表面露出年代測定(宇宙線生成核種Be-10による年代測定)を行うことにより,この地点における根尾谷断層の左横ずれ平均変位速度が精度良く求められる可能性があることが新たに判明したため,段丘面上および現河床上の巨礫表面の試料を採取するとともに,6試料について前処理および年代測定を実施した.また,積雪被覆による核種生成速度の減少量を見積もるため,定点撮影カメラおよび雪尺による冬季積雪観測を開始するとともに,積雪期に現地に到達して,カメラの動作確認・電池交換および積雪量の確認を行った.撮影は問題なく行われており,雪解け後のデータ回収後,積雪被覆補正済みの最終年代値が得られる見込みである. 一方,根尾谷断層北端近傍の山体重力地形集中域においては,昨年度開発し,現地に残置している可搬型パーカッションコアリングシステムを用いて,引き続き,重力性凹地(湿地)でコア掘削を実施した.また,昨年度掘削した試料のテフラ分析および計44試料のC-14年代測定を実施し,上位の地層からの混入がほぼないことや葉や種子の年代値が信頼できて高精度の年代の議論が可能であることを確認した.今後,さらに他の湿地でもコア掘削を行うことにより,山体重力変形が発生・進展した時期を明らかに出来る見込みである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初計画通りに活断層活動履歴調査および山体重力変形履歴調査が進行し,成果も得られつつあるため.
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Strategy for Future Research Activity |
根尾谷断層温見白谷上流地点,黒津断層黒津地点のトレンチ調査については,次年度で埋め戻し・現状復旧を行い,次に温見断層におけるトレンチ調査を開始する.根尾谷断層北端近傍山体重力地形集中域においても次年度でコア掘削を終了し,現地に残置している機材も回収して他の山体重力変形における調査の準備を進める方針である.
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