2017 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of cancer by cytokine coding method and biosensor-array with micro-capsules
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16H03166
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山口 昌樹 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (50272638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 知展 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20273097)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生物・生体工学 / マイクロ・ナノデバイス / モニタリング / がん / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,300種以上が発見されているサイトカインと呼ばれる一群の情報伝達物質のコード情報と経時的な変化を測定し,早期のがん部位を可視化することを目的とした。本年度は,抗体修飾した抗原内包型の光開裂性マイクロ粒子の開発と,シグナル増幅法の基礎研究を行うために,下記の3課題に取り組んだ。 1. サイトカインのコーディング サイトカインとがんの相関性を考察するために,PubMed (国立生物工学情報センター) を用いて1977年から2016年の40年間の英文学術論文を検索した。その文献数などをエビデンスとし,がんとの相関性が期待されるサイトカイン上位10種類,TNF-アルファ (9.8%),IL-6 (6.4%),TGF-ベータ (5.9%),IL-10 (2.5%),IL-4 (2.4%),IL-12 (2.1%),IL-1ベータ (2.1%),IFN-アルファ (2.0%),IL-17A (0.5%),IL-18 (0.5%) を同定した。 2. ケースコントロールスタディ 肺がん患者のケースコントロールスタディ (各群35名) を実施し,27項目のサイトカイン群を唾液,口腔液,血液の3検体を用いて同時分析した。サイトカインの分析には,前年度に購入した磁気ビーズ法を用いたマルチ分析システムを用いた。その結果,12種類のサイトカインで肺がん患者と健常者に有意差が観察された (p < 0.05)。 3. 体内ネットワークモデルの構築 肺がんとサイトカイン群との関連性を検証するために,(1) Mann-Whitney検定,(2) ロジスティック回帰分析および (3) Receiver Operating Characteristic (ROC) 解析を行った。その結果,IL-10 (オッズ比:1.156) とIP-10 オッズ比:1.000) によるロジスティックモデルが構築された。 また,本年度の成果は,国内外の雑誌論文3編,学会発表6件,著書1編等で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に計画した本年度実施すべき3つの課題のうち,サイトカインのコーディングとケースコントロールスタディを実施した。特に,医工連携してケースコントロールスタディに本格的に取り組むことができたのは,研究進展の大きなドライビングフォースとなった。残りの課題「体内ネットワークモデルの構築」についても実施しており,おおむね完了できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の核となるのは,サイトカインセンサの開発と臨床研究 (ケースコントロールスタディ) であり,3年度目は大腸がんのケースコントロールスタディも完了して,より緻密な体内ネットワークモデルの構築を目指す。
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Research Products
(11 results)