2017 Fiscal Year Annual Research Report
American Globalism and Social and Cultural Transformation in the Island Communities
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16H03315
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
喜納 育江 琉球大学, 法文学部, 教授 (20284945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 大祐 琉球大学, 法文学部, 准教授 (00633562)
山里 絹子 琉球大学, 法文学部, 准教授 (00635576)
石原 昌英 琉球大学, 法文学部, 教授 (70244283)
山城 新 琉球大学, 法文学部, 教授 (80363654)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アメリカ文化 / グローバリゼーション / 米国軍政府 / 米国民政府 / 太平洋戦没者慰霊碑 / ハワイ / グアム / プエルトリコ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度には前年度で進めた研究をさらに深化させる研究活動を行った。喜納は昨年収集した資料の分析を行うと共に、9月にハワイがアメリカに併合される際の白人と先住民の関係についてハワイ大学で文献収集を行った。石原は米国民政府発行の『今日の琉球』や『那覇市史 戦後の社会・文化1』掲載の記事から、沖縄における米国軍政府・民政府による英語普及の状況や、沖縄及びグアムとの比較でハワイの英語普及政策について分析した。山城も前年度に収集した資料の解読を続けながら、今年度はハワイ大学及びフィリップス博物館を訪問し、島嶼空間における島環境の表象について調査した。池上も、前年度にひきつづき、アメリカ型グローバリズムと島嶼地域の社会文化を考察するために、歴史学的視点からのアメリカ政治の現状分析と島嶼地域の具体的定点観測地であるグアムの戦争記憶に関する調査を進めた。グアム大学およびグアム公立図書館や日本の国立公文書館で、南太平洋戦没者慰霊碑建立や解放記念日に関する調査を行った。山里は、戦後の沖縄における米国留学制度に関して引き続き資料を整理・分析を行うと同時に、ハワイ州オアフ島にある移民歴史博物館での調査をもとに、アメリカ資本のプランテーション開発の歴史、ハワイ先住民や移民労働者たちの経験がどのように博物館において表象されているかを考察し、論文を執筆した。また、7月にグアムからグアム大学マイケル・ベバクワ准教授とグアム先住民活動家のエドワード・アルバレス氏を招聘して、グアムにおけるアメリカ文化の影響に関する研究会を行い、11月には米国クラーク大学のマリア・アコスタ・クルーズ教授とプエルトリコ大学ホセ・イリザリ・ロドリゲス教授を招聘し、米国とプエルトリコの政治的・文化的関係についての研究会を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究分担者とも今年度の研究計画通りそれぞれの研究テーマに沿った研究活動を遂行できている。また、グアムとプエルトリコそれぞれから2名ずつ研究者を招聘し、沖縄以外の島嶼地域における米国統治がどのように評価されているか、また、米国による統治がそれぞれの地域社会にどのような影響を与えたかについて、実際にその地域で生活する「当事者」である研究者と意見交換をする機会を設定できた。各研究分担者とも最終年度に向けて論文の執筆に着手できていることからも、今年度の研究は概ね順調に進展しているという自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は本研究課題の最終年度となるため、研究代表者も各研究分担者も論文の執筆に専念する予定である。論文執筆のために必要であれば今年度も現地での資料収集や聞き取り調査を行う。また、研究対象となっているハワイまたはグアムから研究助言のできる研究者をディスカッサントとして招聘し、総括の公開シンポジウムを行う。年度末までに英語の研究論文を完成させ、成果となる書籍を米国で出版できるように準備を進める。
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Research Products
(9 results)