2018 Fiscal Year Annual Research Report
War and Comfort cultures - Researches of Cultural History on Practice and System of Comfort
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16H03327
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山崎 明子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (30571070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 理恵 日本女子大学, 家政学部, 教授 (00269820)
池川 玲子 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50751012)
内海 愛子 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70203560)
藤木 直実 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (90636185)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 慰問 / 歴史 / ジェンダー / 戦争 |
Outline of Annual Research Achievements |
戦争とジェンダーに関する諸問題を、「慰問」という行為に着目し検証することを本研究課題とする中で、以下の研究成果を得ることができた。 第一に、慰問行為の日本への導入については欧米の女性たちによる社会活動が前提としてあり、戦争や災害時に日本社会への定着が認められた。そのことから、慰問活動が社会的危機への一つの対応方法として近代ジェンダー秩序の中に位置づけられたことが明らかになった。第二に、慰問行為は近代日本社会の中で時期に応じて変化するものの、女性や子どもを中心とした社会貢献行為として展開されていたことが明らかになった。慰問の形態、慰問すべき対象、慰問の意義なども多様化され、近代社会においてはそれが戦争に関わるものへと収斂されていった。本研究においては、その多様な文化に着目し、いくつかの側面を明示することができた。第三に、戦後日本社会においても慰問が実施され、特に戦犯を収容するスガモプリズンで慰問が行われてきたこと、およびその具体的内容について明らかにした。 以上、大きく三点について論証してきたが、各論として婦人活動としての慰問や傷痍軍人への慰問、人形という慰問品、児童文学による啓蒙など、戦争を支持し支援するための社会のサブシステンスとして慰問が機能してきたことが明らかになった。法や社会制度が補填しきれない溝を、国民の主体的な物資と労力の提供により補い、戦う主体を支えるためのジェンダー・システムとして極めて重要であると結論付けることができた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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