2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the contemporariness: a compound approach through history of thought, science of arts and cultural politics
Project/Area Number |
16H03358
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長木 誠司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50292842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 純 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10251331)
清水 晶子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40361589)
オデイ ジョン 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50534377)
高橋 哲哉 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60171500)
加治屋 健司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70453214)
森元 庸介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70637066)
桑田 光平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80570639)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 同時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
「同時代性のポリティクス」を中心課題にし、以下の4点について研究を行った。 1) 性的少数者の権利運動における地域性と同時代性:「性的少数者の権利」が地域的特殊性を時代的先進性と接続する米国や一部西欧諸国のナショナリスティックな自己正当化のロジックに組み込まれつつあることへの批判の高まりを考慮しつつ、日本の性的少数者をめぐる言説の分析を通じて、「同時代性」の言説と「同地域性」の言説との交渉とその効果を再考した。 2) 「リアルタイム」の支配と対抗的時間:「同時代性」をリアルタイムな「同時性」のグローバルな共有にまで時間的に縮減することを可能にしている情報テクノロジー下で、支配的となった「同時性」は、すでに日常的なコミュケーションにおける相互性を獲得している。「リアルタイム」を支える技術を活用しながら、そのような社会状況に抗した時間経験を作り出そうとする思想・芸術・文化現象について、ハキム・ベイの『TAZ 一時的自律ゾーン』(1991)等を参考にしつつ分析した。 3) 検閲と芸術の同時代連関:近年、メディア環境の変化もあって、個人レヴェルで提起された芸術へのオブジェクションが瞬時に社会レヴェルのイシューへ拡張される検閲の私営化とも呼ぶべき現象が観察されているが、作家によるリアクションが制作活動そのものへパフォーマティヴに連結されるケースのように、連鎖的な反応を同時代性の発現の一様態と捉え、表現とその自由/制約をめぐる今日的な趨勢を批判的に考察した。 4) 租界期上海のシネ・ポリティクス:ナショナリズム渦巻くアジアのなかの「孤島のパラダイス」であった1920-30年代の上海における映画は、アメリカ映画が本国とほぼ同時に無検閲で公開されるなど、ほぼ完全な商業上映が実現されていた。その自由な環境でこそ作品が帯びる政治的・歴史的に複雑な陰翳を各国映画の交錯の様態のなかで同時代的に分析した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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