2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive re-investigation into the notion of realism based on comparative analysis of representations of realities in various artistic genres
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16H03365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 純 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10251331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 少陽 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20376578)
一條 麻美子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30213987)
内野 儀 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (40168711)
清水 晶子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40361589)
乗松 亨平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40588711)
長木 誠司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50292842)
加治屋 健司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70453214)
森元 庸介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (70637066)
桑田 光平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80570639)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リアリズム / ポストメディウム / イメージ / リアリティ / 情動 / 歴史経験 / 再制作 / 経験美学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、リアリティ感覚の変容とポストメディウム状況下のリアリズムというテーマについて研究を行なった。具体的な研究内容の概略は次の通り。 1)ポストメディウム状況におけるリアリティの理論と実践:東京大学における宇佐美圭司作品の廃棄処分という事件を受け、このように破壊され消失した美術作品をポストメディウム状況下において再制作する方法やそこで追求されるリアリティについて考察した。ジュディス・バトラーの来日を契機として、情動論やニュー・マテリアリズムの観点からのバトラー批判をポストメディウム状況下の「身体のリアリティ」変容との関連からとらえ返し、バトラー思想の再検討を行なった。イメージのリアリティを問題とする「像行為論」の方法を吟味し、イメージの「実在」を焦点化するこのような理論的動向とポストメディウム状況との関係を考察した。歴史理論における言語論から歴史経験論への展開を、歴史をめぐる「リアリズム」の趨勢としてとらえ、その背景にあるポストメディウム状況下の知覚経験を経験美学の知見を視野に収めて分析した。 2)パフォーマンスのライヴ性とリアリティ:音(楽)情報のネットワーク化による、リアルタイムの音響の発信や瞬時的変換といった操作による、音の「ライヴ性」そのものの変容をめぐり、サウンド・スタディーズの視点からの作品分析を行なった。安価なデジタル機器でパフォーマンスを立ち上げたり、脳科学や神経科学とのコラボレーションによってインスタレーション作品を作るアーティストたちの諸実践の経験美学的な分析を援用し、デジタル環境におけるリアリティとは何かという問題へのアプローチを試みた。これまでの研究成果を踏まえた討議の場として、2019年5月にドイツ・フンボルト財団の資金提供により開催が予定されている国際シンポジウム「フンボルト・コレーク東京 神経系人文学と経験美学」を企画した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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