2016 Fiscal Year Annual Research Report
能楽及び能楽研究の国際的定位と新たな参照標準確立のための基盤研究
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16H03369
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
山中 玲子 法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 教授 (70360253)
豊島 正之 上智大学, 文学部, 教授 (10180192)
竹内 晶子 法政大学, 国際文化学部, 教授 (10409344)
高桑 いづみ 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 室長 (60249919)
児玉 竜一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10277783)
高橋 悠介 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 准教授 (40551502)
横山 太郎 跡見学園女子大学, 文学部, 准教授 (90345075)
M G Watson 明治学院大学, 国際学部, 教授 (20190283)
玉村 恭 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50575909)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 能楽 / 技芸伝承 / イエズス会 / 能楽史 / 演出 / 世阿弥 |
Outline of Annual Research Achievements |
・新たな視点からの能楽史の叙述、比較演劇的観点による能楽の諸相の分析については、7月28日~30日に研究代表者・研究分担者の他、海外の研究協力者も招聘して、テーマごとの小グループに分かれてのセッションと全体討議を組み合わせた国際研究集会を行った。当日参加できなかった海外の研究協力者とは3月に米国で個別に共同研究の機会を設けた。それらの成果の一部はすでに別記のような論文、学会発表等になっているほか、2017年8月開催のヨーロッパ日本学会(EAJS)大会において、「能テキストの分析」、「能楽における興行や人材育成のシステム」についてのパネル発表をおこなうことが決定している。 ・1952年から2010年までの、能狂言のテレビ放送に関するデータ1,585件を整理し、放送年月日、演目、演者、流派、いずれからも検索できるようにした(未公表)。 ・能の型の伝承・習得に関する研究会を開始し、3Dモーションキャプチャを利用した実技習得の実験と技芸伝承の現場の観察、インタビュー調査等を進めている。 ・16~17世紀日本関連のイエズス会文書については、大英図書館、スペイン王立歴史アカデミー、スペイン国立文書館の所蔵する16~17世紀日本関連文書のほぼ全点の画像(合計約21,000枚)を、所蔵各館の御厚意により入手し、その整理を行ないながら、既に作成した分の翻刻データの誤訂などを進めている。演劇関連記事は、現時点で151件の抽出が完了し、写本・(当時の)板本の本文対校、必要な場合は翻訳を加える作業を進めている。これらの成果に基づく国際シンポジウムを2017年3月7日に開催。ポルトガルより中世イベリア半島演劇の専門家も招いて、イエズス会記録の位置について討論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2度の国際研究集会を実施し(一部は他の予算によるプロジェクトと協力)、初年度としての研究成果を踏まえて、別記のとおり、いくつかの成果を発表することができた。幅広い分野についての共同研究になるので、進捗状況にはテーマごとの差はあるが、おおむね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
・技芸伝承に関しては、能楽を支える共同体の変化との関連について、昨年度収集した情報の分析を進めるとともに、昨年度同様、スポーツ科学の研究者の協力を得て、指導による上達の様相を計測する実験を継続する。どちらも成果のとりまとめを目指している。3月に、技芸伝承に大きく貢献してきた型付を中心とする展示および研究集会をおこなう。 ・能テキストの構造分析、能楽の担い手や興行形態、人材育成などについては、歴史的考察と現代の状況の分析とを併せて行っていく。 ・イエズス会関係の資料については、他の科研費による研究と協同して、引き続き調査収集と情報の整理を進めていく。 ・8月末から始まるヨーロッパ日本学会の国際会議で、1)Noh Texts as a Nexus: Their Multi-layered Compositions and Beyond, 2)The world of Noh: three aspects of its socioeconomic structure 2本のパネル発表をおこない、それらの成果の活字化をめざす。
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Remarks |
研究内容、活動実績の報告を載せているが、研究拠点の総合的なサイトであるため、他の研究資金による研究成果や活動実績と一緒に掲げられている。本研究の現在進行中の成果はグーグルドライブのフォルダ(closed)で共有しており、まだ公開はしていない。
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