2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H03384
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
中橋 克成 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 客員研究員 (60309044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 直秀 京都大学, 工学研究科, 教授 (50263140)
藤田 一郎 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (60181351)
小島 徳朗 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (70548263)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 奥行きの感覚 / 美術作品の制作 / 脳科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年の最終年度は、京都市立芸術大学附属ギャラリーアクアにおいて12月に予定した本研究のテーマである奥行きに沿った展覧会及びシンポジュームの開催がコロナ禍の影響によりやむなく中止となった。成果発表であるこの展覧会に代えて検討したのが、この研究の実質的な母体であるテーマ演習授業での8年間(科研採択以前の研究も含まれる)で制作された全作品のデータベース化だった。47課題を立案し952点の作品数があり、撮影した写真だけで5600枚となった。更に授業の詳細な推移や海外研修の資料も加えて、今後に続く研究者に利用可能な系統立てたアーカイブを作った。本学の芸術資源研究センターにおいて保存されることになり、今後インターネットを通じ広く公開されることが可能となった。 一方で、本研究の総括として「奥行き」研究をまとめた報告書、「奥行きの感覚」を求めてー美術をめぐる新たな鑑賞と実践ーは、京都市立芸術大学から昨年度末に発行した。この冊子は、各時代の様式や文化圏に基づく作品評価から離れて、普遍的に人類に共通する感覚であるところの「奥行き」を手がかりに新しい広がりと深さを持った造形的な見地から人類史的な厚みのある美術史の再定義を目指した。総244頁、5章に分かれ、執筆は研究分担者3名、連帯協力者4名、研究協力者1名に加えて、外部からの3名の研究者、計11名から構成されている。特徴的なのは、テーマ演習で実施された実技課題から9題を挿入し、知識としての奥行き論を述べるだけでなく、読者の実践を伴った理解が得られるようになっていることである。これは本研究で大切にしていた実感を伴うという理念に基づくものである。この研究の当初から想定されていた広範な美術作品から奥行きに関して興味深いものを選択したが、それは視覚芸術に関するものであり、触覚を伴う奥行きには言及し得なかった。今後の研究に期待される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)