2017 Fiscal Year Annual Research Report
近松没後義太夫節浄瑠璃作品のデジタル・アーカイブを利用した包括的研究
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16H03390
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鳥越 文蔵 早稲田大学, 坪内博士記念演劇博物館, 名誉教授 (60063509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田草川 みずき 千葉大学, 高等教育研究機構, 准教授 (10367097)
小林 左絵 (上野左絵) 日本女子大学, 文学部, 研究員 (10771933)
内山 美樹子 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30063704)
黒石 陽子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40247268)
原田 真澄 日本女子大学, 文学部, 研究員 (40580444)
坂本 清恵 日本女子大学, 文学部, 教授 (50169588)
飯島 満 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 部長等 (90392547)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 人形浄瑠璃文楽 / 義太夫節浄瑠璃 / 文字譜索引 / 近世語彙索引 |
Outline of Annual Research Achievements |
近松没後浄瑠璃作品の諸本調査とそれぞれの作品の翻刻を行った。具体的には、『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』(玉川大学出版部)の第5期10冊の刊行のために、『眉間尺象貢』『敵討襤褸錦』『赤松円心緑陣幕』『太政入道兵庫岬』『本田善光日本鑑』『 鎌倉大系図』『入鹿大臣皇都諍』『物ぐさ太郎』『粟島譜嫁入雛形』『東鑑御狩巻』『酒呑童子出生記 』『児源氏道中軍記』『安倍宗任松浦☆』について、初板、初摺とみられる善本を底本とすることを目指し、作品担当者が所蔵図書館に赴いての 書誌調査を徹底し、十行本などの参考本の入手を行ったのち、翻刻作業を行った。 その後、翻刻データを、翻刻担当者と翻刻確認者による見なおしを行い、最終的に、研究代表者鳥越文蔵、研究分担者内山美樹子による校閲を行った。さらに、これに翻刻担当者が、梗概をはじめ書誌情報などをまとめた上で、入稿をし、上記の作品の中から10作品の翻刻刊行を完了することができた。 デジタルアーカイブの活用に向けての研究としては、『丹州爺打栗』の語彙索引作成に対する確認作業を始めることができた。さらに、現在も上演される作品についての索引作成を行うことが急務と考え、『一谷嫩軍記』の単語切り出し作業を始めることもできた。 また、文字譜索引の作成に向けての基礎的な作業として、これまでに翻刻を完了した42作品のち、デジタルアーカイブ化にむけたテキスト確認作業を行い、30作品の確認を終えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』(玉川大学出版部)の第5期10冊、『眉間尺象貢』『赤松円心緑陣幕』『太政入道兵庫岬』『本田善光日本鑑』『 鎌倉大系図』『物ぐさ太郎』『粟島譜嫁入雛形』『酒呑童子出生記 』『児源氏道中軍記』『安倍宗任松浦☆』を刊行することができた。 デジタルアーカイブ作成のためのデータ整備も42作品のうち、30作品までを終了した。 さらに、近世語彙索引としての活用に向けて『丹州爺打栗』の最終確認を始め、第一までを終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、『義太夫節浄瑠璃未翻刻作品集成』(玉川大学出版部)としての第6期10作品の刊行を目指し、『前内裏島王城還』『傾情山姥都歳玉』『敵討襤褸錦』『茜染野中の隠井』『入鹿大臣皇都諍』『児源氏道中軍記』『柿本紀僧正旭車』『遊君衣紋鑑』『増補大仏殿(萬代)礎』『女舞釼紅楓』『新板累物語』『文武世継梅』の12作品について翻刻を推進する。複数本文の校合を行いながら、伝蔵本文についての書誌調査と翻刻を行い、最終的には10作品の刊行を目指す。進捗状況と、問題点の確認共有を行うため、二ヶ月の一度、研究会を開催する。 デジタルアーイブの利用研究として、近世語彙索引の刊行を目指し、引き続き『丹州爺打栗』の単語認定を進め、自立語語彙索引の刊行を目指す。『一谷嫩軍記』について、語彙情報のタグ付けを行う。 さらに、音曲としての浄瑠璃本文の研究を推進するために、第5期までに刊行した浄瑠璃本文の見直しが終わっていない10作品についてその完成を目指す。同時に文字譜の索引作成に向けての研究を行っていく。近松没後の浄瑠璃作品についての文字譜研究はこれまでないので、それを総合的に研究する。あわせて、浄瑠璃に近接する他の語り物、たとえば、平曲のアクセント研究の成果を用いるための勉強会を行う。 浄瑠璃本文を読むことができる研究者を育成するため、これまでの翻刻作品のデジタルアーカイブを活用しながら原本を読み、翻刻する研究会を毎月行う。
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Research Products
(24 results)