2018 Fiscal Year Annual Research Report
文脈情報を用いた日本語学習者の文章理解過程の実証的研究
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16H03438
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
石黒 圭 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (40313449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 政信 一橋大学, 国際教育交流センター, 名誉教授 (00225674)
野田 尚史 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (20144545)
木谷 直之 政策研究大学院大学, 政策研究科, 非常勤講師 (30397103)
佐藤 智照 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 准教授 (30804918)
砂川 有里子 筑波大学, 人文社会系(名誉教授), 名誉教授 (40179289)
今村 和宏 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (80242361)
鈴木 美加 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (90226556)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 文章理解 / 読解 / 推論 / 文脈 / 学習者コーパス / アイトラッキング / 中国人日本語学習者 / ベトナム人日本語学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語学習者が文脈情報を用いて文章理解を行う際の処理過程とその困難点を明らかにすることを目的としている。2018年度はデータベース構築のさらに進めると同時に、論文集の刊行準備を行った。 データベース構築の実績としては、2018年度は2017年度に引き続き、2016年度に収集した(1)「文脈情報を用いた語の意味の絞り込み」、(2)「文脈情報を用いた展開の絞り込み」の2種の文章理解データの文字化作業・翻訳作業を終了させ、現在、第一次・第二次チェック作業・アップロード作業を進めている。 (1)の調査対象者の人数は、①中国語母語話者80名(中国60名、日本国内20名)、②ベトナム語母語話者80名(ベトナム60名、日本国内20名)、③日本語母語話者20名(すべて日本国内)である。また、(2)の調査対象者は、すべて日本国内にいる学生で、①中国語母語話者、②ベトナム語母語話者、③日本語母語話者各20名の計240名である。2018年度末には、そのうち60名の学習者のデータについてウェブサイトで公開した。 また、2019年度の最終成果報告にむけて、現在2冊の論文集の刊行を進めている。うち1冊は上記データベースの分析に基づく論文集、もう1冊はその分析内容を現場の指導に結びつける論文集である。それぞれ、刊行のための会議を重ね、執筆を続けている。 研究成果発信の実績としては、上記の第一次チェック作業を終了した一部データを用いて、2件の論文による発表、1件の海外における講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、第一次・第二次チェック作業・アップロード作業が順調に進み、240名のうち、60名の学習者のデータについてウェブサイトに公開できたため。また、2019年度の最終成果報告にむけて、現在論文集の刊行を進めており、原稿の執筆も順調に進んでいるため。さらに、2018年度の研究成果発信の実績としても、上記の第一次チェック作業を終了した一部データを用いて、2件の論文による発表、1件の海外における講演を行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2019年度に行う予定の研究は、データベースの完成と論文集の出版である。 データベースでは、(1)「文脈情報を用いた語の意味の絞り込み」については、①中国語母語話者80名(中国60名、日本国内20名)、②ベトナム語母語話者80名(ベトナム60名、日本国内20名)、③日本語母語話者20名(すべて日本国内)の調査対象者小計180名、また、(2)「文脈情報を用いた展開の絞り込み」)の調査対象者は、①中国語母語話者、②ベトナム語母語話者、③日本語母語話者各20名(すべて国内)の小計60名、総計240名の調査データについて、第一次・第二次チェック作業を終わらせ、ウェブサイト上ですべて公開する。 また、上述のデータベースに基づく日本語学習者の文章理解を分析した論文集、およびその分析結果を教育実践に結びつける論文集をそれぞれ刊行する予定である。
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