2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16H03479
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
千葉 功 学習院大学, 文学部, 教授 (50327954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 輝臣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20314974)
長佐古 美奈子 学習院大学, 付置研究所, 学芸員 (20537279)
季武 嘉也 創価大学, 文学部, 教授 (40179099)
熊本 史雄 駒澤大学, 文学部, 教授 (70384021)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 寺内正毅 / 寺内寿一 / 井上馨 |
Outline of Annual Research Achievements |
「寺内正毅関係文書」については、作業の前提として必要な史料の撮影ないし画像ファイル化を平成28年度中に完了した。これら画像化ファイルした史料は、共同研究者に配布した。 本研究課題の最終目標は、山口県立大学や学習院大学史料館所蔵の新出史料はもとより、従来から公開されていた国立国会図書館憲政資料室所蔵分においても、目録において通数しか記載されなかったために従来ほとんど利用されてこなかったB群の書簡群も含めて、寺内あての書簡群(通数にして約2770通)を悉皆翻刻して刊行するとともに、それをふまえて共同研究することである。 ただし、書簡群の点数が膨大なため一度に全書簡を翻刻・刊行することも困難であるため、5巻本を想定して、平成29年度は第1巻として、発信者(五十音順)が青木周蔵~大久保春野の575通の翻刻を行うことにした。研究分担者にわりふりをした結果、8月には翻刻文をそろえることができた。さらに、巻末に、「寺内正毅関係文書」の伝来(寺内正毅・寿一が設立した桜圃寺内文庫から始めて)や概要、ならびに本刊行物出版の経緯を述べた解題を付したうえで、10月に科学研究費補助金の「研究成果公開促進費(学術図書)」に応募した。 さらに、「寺内正毅関係文書」の翻刻作業をふまえて、6月に学習院大学で研究会を行った。寺内正毅ないし寿一の史料群に関する研究報告が4本行われ、翻刻作業を進めるうえで大きな刺激となった。 「井上馨関係文書」については、井上馨宛ての書翰すべての電子式複写を完了した。また、翻刻も継続して進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、3機関に分散所蔵されている「寺内正毅関係文書」のうち未翻刻の寺内宛て書簡群を翻刻し、それをもとに共同研究することにある。以上の翻刻・共同研究の前提となる史料群の撮影と画像ファイル化については、「9.研究実績の概要」において述べたように、平成28年度中に完成することができた。 そのうえで、寺内宛て書簡群の約5分の1にあたる575通の翻刻を終え、解題を付して科学研究費補助金の「研究成果公開促進費」として応募した。さらに、翻刻した史料をもとにした共同研究を開始することができ、その成果の発表の場として研究会を開催することができた。 以上の進捗状況から、「(2)おおむね順調に進展している。」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
「寺内正毅関係文書」のうち寺内宛て書翰群の翻刻と共同研究については、「11.現在までの進捗状況」で述べたように、約5分の1にあたる575通の翻刻を終え、解題を付して科学研究費補助金の「研究成果公開促進費」として申請した。この申請の結果、無事補助金の交付が決定したため、平成30年度中に『寺内正毅関係文書 一』(全5巻のうちの第1巻)として、東京大学出版会から刊行する作業を行う必要がある。具体的には、入稿前に1度、初校・再校で2度の計3度、現物と照合した校正を行う必要がある。また、この刊行に並行して、平成30年中に最低2回(6月と11月)は開催を予定している研究会では、上記翻刻作業を進めるための打ち合わせや確認を行うとともに、寺内正毅・寿一や関連の研究報告を行うつもりである。 「井上馨関係文書」については、引き続き研究代表者が井上馨宛て書翰群の翻刻を進めるとともに、それにもとづいた研究を進めるつもりである。
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