2016 Fiscal Year Annual Research Report
古墳分布北縁地域における地域間交流解明のための実証的研究
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16H03504
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
菊地 芳朗 福島大学, 行政政策学類, 教授 (10375347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 敦 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (00238560)
石橋 宏 東北大学, 埋蔵文化財調査室, 専門職員 (30755509)
日高 慎 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70392545)
柳沼 賢治 福島大学, うつくしまふくしま未来支援センター, 特任准教授 (60783074)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 考古学 / 古墳時代 / 古墳分布北縁地域 / 地域間交流 / 福島県団子山古墳 / 宮城県一塚古墳 / 福島県塚前古墳 / 福島県塚野目古墳群 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)テーマ研究 フィールド調査:2016年3月~5月に福島県国見町塚野目古墳群の測量調査、同年8月に福島県須賀川市団子山古墳の発掘調査、2017年3月に福島県いわき市塚前古墳の測量調査を実施した。塚野目古墳群では主墳である1号墳(八幡塚古墳)の測量図を40年ぶりに作成し、団子山古墳では中心埋葬施設の墓壙を確認し、次回の調査に備えた。塚前古墳は、開発計画により現状が大きく変わる恐れがあったことから、その重要性を鑑み緊急に学術調査を行ったものである。 既存重要資料の整理・再検討:2017年1月に東京国立博物館に収蔵されている宮城県仙台市一塚古墳の出土品調査を実施した。また、宮城県大崎市亀井囲横穴群の出土品の調査実施に向けて地元と交渉を行い、調査の内諾を得た。 地域間交流解明のための比較分析:代表者・分担者・協力者は、上記2テーマの成果を踏まえつつ担当資料・地域における地域間交流を分析するうえで鍵を握る関連考古資料に対する資料調査を行い、研究集会で予備的発表を行った。 (2)総合研究 7月と1月の2回、全体研究集会を開催した。第1回研究集会は福島大学で開催し、研究計画をメンバーで確認するとともに3名による研究発表を行った。第2回研究集会は宮城県大崎市で開催し、大崎平野の関連遺跡の現地踏査を行うとともに、メンバー5名による研究発表を行った。 (3)年度中に福島大学考古学研究室のフェイスブックページを新規に作成し、研究室活動の発信をはじめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の年度計画どおりに研究を遂行しており、おおむね順調に進展している。 年度当初に計画していた宮城県大崎市亀井囲横穴群の出土品調査については、現時点では所有者の内諾を得る段階にとどまっているが、一方で、当初計画になかった福島県いわき市塚前古墳の測量調査を実施し、従来ほとんど情報のなかった同古墳の墳形や規模に関する重要な知見を得たことから、研究計画の遅れはないものといえる。 また、福島県国見町塚野目古墳群および同須賀川市団子山古墳については、今年度中の調査成果をまとめた報告書も刊行していることから、ほぼ当初の計画どおりの遂行状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に研究計画調書に沿って今後の研究を遂行する予定である。 フィールド調査においては、2017年度は福島県須賀川市団子山古墳の発掘調査を実施するとともに、これまで連携や協力を行ってきた福島県国見町・同いわき市等との交渉を行い、新たなフィールドを決定する。 既存重要資料の整理・再検討については、2017年度は宮城県亀井囲横穴群出土遺物の調査を実施するとともに、福島県南相馬市真野古墳群出土遺物の調査を開始する。 総合研究においては、2回の研究集会を実施し、研究メンバー全員が本研究にかかわる各人の調査研究状況の中間発表を行う。 研究計画の変更あるいは問題点がある場合には、全メンバーにより速やかに検討を行い、適切な対応策を立てる。
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