2017 Fiscal Year Annual Research Report
古墳時代中期の政権構造に関する基礎的研究－古市古墳群高塚山古墳出土資料の調査－
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16H03507
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| Research Institution | Yamaguchi University |
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Principal Investigator |
田中 晋作 山口大学, 人文学部, 教授 (40634738)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 工 公益財団法人大阪市博物館協会(大阪文化財研究所、大阪歴史博物館、大阪市立美術館、大阪市立東洋陶磁美術, 大阪文化財研究所, 課長 (00344367)
塚本 敏夫 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30241269)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 考古学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、古市・百舌鳥古墳群の勢力によって主導された古墳時代中期の政権構造を明らかにすることである。具体的には、これまでの研究成果を踏まえ、朝鮮半島を中心にした東アジア情勢のもとで、①両古墳群の構造に反映された階層序列の形成・②帯金式甲ちゅうを介在させた諸勢力との政治的関係・③外交と軍事によって維持された政治基盤・④生産と交通体系の整備による経済基盤の確立、という視点を融合、体系化することによって、中国周縁部に成立する古代国家形成のメカニズムの解明を目指すことを提示した。
昨年度までの調査、研究によって、②に関して、田中晋作2017「武器の拡散にみる地域間関係」『古代武器研究』14・塚本敏夫2017「武具変遷の変遷－三段階の画期-」（公財）元興寺文化財研究所『平成29年度夏季企画展 鎮物としての武器・武具-武具埋納祭祀の展開-』に、③に関して、田中晋作2017「古墳時代中期の鎹出土古墳について－百舌鳥・古市古墳群の勢力のもとに編制された軍事組織の特質－」『古代学研究』214にその成果を発表した。①に関しては、田中晋作2016『古市古墳群の解明へ 盾塚・鞍塚・珠金塚古墳』新泉社の内容の充実を図りこれにあてる。
また、本研究を進める上で、古市・百舌鳥古墳群の確立段階の様相が明確でないことが障害になっており、これを古市古墳群高塚山古墳出土資料によって補訂し、中期の政権構造の推移を検討する条件を整えることを提示した。
現在、高塚山古墳出土資料の調査、研究は、基礎作業である出土資料のエックス線透過撮影を28年度に終了し、この成果にもとづいて29年度前半に復元作業を実施し、後半から実測作業に着手、現在本作業が継続している。最終年度となった今年は、下記の今後の研究推進方策に明示するように、実測作業と平行して報告書作成に向けて報告文の執筆、図版の作成および写真撮影を実施する。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記【研究実績の概要】に示した中で、政権構造研究部門では、④とした生産と交通体系に関する研究の進捗が十分ではない。今年3月に実施した朝鮮半島南部海浜地域における帯金式甲ちゅう出土古墳の調査成果を活用することによって、これを補っていきたい。
また、高塚山古墳出土資料の調査、研究については、基本作業である実測・図版作成・写真撮影を早急に完了させるよう努力したい。
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| Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度となった今年、12月1日・2日に山口大学で開催が予定されている「第15回古代武器研究会」の場をかりて、韓国側４名、日本側４名による研究成果報告会を行い、年度末に研究報告書を刊行する。現在、研究報告９編を予定している。
また、高塚山古墳出土資料の調査、研究については、上記研究報告書の付載として報告を行う。現在、報告書作成に向けて、報告文の執筆、図版の作成および写真撮影に着手したところである。
これにともない、日本側研究者による国内および韓国での資料調査の実施、12月に韓国側研究者の日本への招聘（研究成果発表および資料調査)を予定している。
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