2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of Seventh Century History of Hitachi as Seen from Fudoki and Mounded Tombs
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16H03513
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐々木 憲一 明治大学, 文学部, 専任教授 (20318661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 真司 京都大学, 文学研究科, 教授 (00212308)
田中 裕 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (00451667)
菱田 哲郎 京都府立大学, 文学部, 教授 (20183577)
若狭 徹 明治大学, 文学部, 専任准教授 (50751848)
川尻 秋生 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70250173)
日高 慎 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70392545)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 古墳時代 / 古代 / 前方後円墳 / 古墳群 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、3つの点で大きな前進があった。まず、かすみがうら市坂稲荷古墳の周濠部分の発掘調査を実施した。2011年の測量調査の結果二重周濠の可能性を指摘したが、周濠は一重であった。また周濠が墳丘の裾に接していないため、墳裾と周濠の肩との間に存在する基壇状遺構が古墳築造当初のものである可能性が極めて高くなった。基壇は下野の後期古墳に特徴的な遺構であり、今後の調査によっては下野の首長との交流が想定できるようになるかもしれない。 また2016, 2017年度の、近隣の折越十日塚古墳の発掘調査成果と比較すると、相前後する時期の築造が想定されるのに、二重周濠と基壇を伴う一重周濠と個性が際立つことが判明した。その理由については今後の課題である。これらは、大和で飛鳥寺が完成し、律令国家への胎動がみられる時期に築造された常陸最新の前方後円墳であり、この時期に本格的な前方後円墳が築かれている事実は、中央による地方支配を考えるうえで一石を投じる成果と評価したい。 次に、『続常陸の古墳群』の編集に向けて準備が進んだ。2018年12月に執筆予定者が一堂に集まり、原稿の内容を発表しあった。常陸は常陸国の中での地域的差異が大きい地域であるが、古墳文化のどの属性を基準にするかによって個々の地域の範囲が異なってくることがわかった。本来は、『常陸国風土記』の記述と関係するような古墳と古墳群を抽出する目的であったが、風土記が記述する以上に複雑な地域性が判明しつつあり、大きな成果と考える。 畿内地域のフィールドワークについては、大阪府茨木市忍頂寺の測量調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドワークは、その成果を活字にできるところまで進捗した。また『続常陸の古墳群』の準備も順調である。忍頂寺のフィールドワークも順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、過去3年間のフィールドワークの報告書と、常陸地域の古墳群集成を完成させる。
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Research Products
(15 results)