2017 Fiscal Year Annual Research Report
動的均衡としての世界秩序研究――“権力の形態学”による検証
Project/Area Number |
16H03581
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
齋藤 純一 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60205648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 乾 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (00281775)
千葉 眞 国際基督教大学, 教養学部, 特任教授 (10171943)
押村 高 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (20169296)
前田 幸男 創価大学, 法学部, 准教授 (20511124)
杉田 敦 法政大学, 法学部, 教授 (30154470)
田村 哲樹 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (30313985)
五野井 郁夫 高千穂大学, 経営学部, 教授 (50586310)
白川 俊介 関西学院大学, 総合政策学部, 講師 (50737690)
岡野 八代 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (70319482)
高橋 良輔 青山学院大学, 地球社会共生学部, 教授 (70457456)
山崎 望 駒澤大学, 法学部, 教授 (90459016)
田畑 真一 早稲田大学, 政治経済学術院, 助教 (90634767)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民主主義 / グローバル化 / ポストモダニズム / 市場 / 市民社会 / 国家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現代における、<国家-市場-市民社会>の接触/摩擦/反発の動態を明かにし、異なる形態の権力が行使されている3つのセクター間の「動的均衡」としての世界秩序の実相を提示することにある。「モダン権力の移行論」と「ポストモダン権力の分散論」の振幅に留意しつつ、以下の三つの接触面における「影響力の政治」を詳らかにすることで、それら三者の間の動的均衡を示し、世界秩序の実態を明らかにすることを目指している。 ①政治社会(国家⇔市民社会の相互接触面)②経済社会(市場⇔市民社会の相互接触面)③政治経済(国家⇔経済の相互接触面) 初年度において、今日における国家・市場・市民社会のそれぞれが行使する「権力の形態学」について研究全体の基盤となる視座を確立した。それに続く本年度には、各セクター間の接触面としての政治社会/経済社会/政治経済で展開されている「影響力の政治」について、その動態分析を行った。 各共同研究者の専門性を活かして個別に研究を進めつつ、研究会ないし学会報告を通じてその成果を共有している。特に、研究代表者である齋藤純一と研究分担者である田村哲樹が単著を公刊したので、両著作を同時に取り上げる研究会を開催し、そこにおける議論を通じ、研究メンバー相互の理解を深めた。こうした研究者相互のフィードバックを通じて、本研究課題において基軸となる「影響力の政治」についての理解を本本年度は練り上げ、その共有により、各研究分担者の個別研究テーマを「動的均衡としての世界秩序」という構想へと接続した。このことで、研究最終年度に世界秩序における権力動態について分析するための基盤を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各自担当研究領域の個別研究を進めるのと同時に、「影響力の政治」についての理解の共有を通じて、全体として今後「動的均衡としての世界秩序」の解明に向けた基盤を整えることができた。このことで、研究の最終年度である来年度に世界秩序の実態を明らかにするという最終目的に向けた準備が整った。 また当初の計画においては焦点を当てていなかった、近年の英米圏の政治理論、とりわけ分析的正義論についての重要な知見を取り入れることも試みた。具体的には、井上彰著『正義・平等・責任』と田中将人著『ロールズの政治哲学』という近年この分野で公刊された著作を、著者を招きつつ検討する研究会を開催し、本研究に新たな視座を導入した。
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Strategy for Future Research Activity |
2016度に、今日における国家・市場・市民社会のそれぞれが行使する「権力の形態学」について研究全体の基盤となる視座を、続く2017年度には、各セクター間の接触面としての政治社会/経済社会/政治経済展開されている「影響力の政治」についてその動態分析を行った。研究最終年度である2018年度は、当初の予定通り、これまで各研究者が個別に進めてきた各セクター、そしてそれらの間の接触面についての研究を統合し、本研究テーマである「動的秩序」としての世界秩序の全体像の提示を試みる。 基本的にこれまで同様、各共同研究者の専門性を活かしつつ個別に研究を進め、研究会ないし学会報告を通じてその成果を共有していく。ただし、研究最終年度として、個別に行ってきた研究を統合することがより求められる。そのため、メンバーによる研究会などの機会をこれまでより増やしていく予定である。 以上の研究活動を通じ、研究者相互のフィードバックを経ることで、各研究分担者の個別研究テーマを「動的均衡としての世界秩序」という全体像の提示へと統合していく。
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[Book] 政治学2017
Author(s)
新川敏光・大西裕・大矢根聡・田村哲樹
Total Pages
315
Publisher
有斐閣
ISBN
978-4641149229