2016 Fiscal Year Annual Research Report
企業の収益性とリスクの選択の動学的分析:理論と日本企業のデータによる実証
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16H03642
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
堀 敬一 関西学院大学, 経済学部, 教授 (50273561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 幸平 立命館大学, 経済学部, 准教授 (20513146)
赤堀 次郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (50309100)
Kohatsu・Higa A 立命館大学, 理工学部, 教授 (80420412)
播磨谷 浩三 立命館大学, 経営学部, 教授 (90347732)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ファイナンス / 企業金融 / 確率微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度における研究実績は以下の通りである。2016年度は研究期間の初年度ということもあり、公刊された論文、ディスカッション・ペーパーを含めた未刊行の論文、また学会報告等は存在していない。しかしながら何本かの論文は学術雑誌に掲載が受理されている。そうした研究成果も含む、現在進行中の研究実績の内容は以下のように要約することができる。 動学的な事業選択に関する分析手法としては、事業のリスクを学習するモデルや企業が連鎖的に倒産するリスクを評価するモデル等を構築した。前者は、キャッシュフローに関するリスクと、事業の平均的な収益性に関するリスクは、設備投資などの企業行動にどのような影響を与えているのか、というモデルを構築した。後者は連鎖的な倒産が発生する可能性を考慮し、倒産するタイミングが内生的に決定されるモデルを検討している。また確率微分方程式のシミュレーションに関する、既存の手法よりもより効率的な手法を開発した。 企業統治と事業選択に関する分析については、日本のデータを用いて地域金融機関が地域経済に与える影響を中心に分析を行っている。地方銀行と信用金庫は企業統治の形態が異なることを利用して、両者のパフォーマンスがどのように異なるのかを分析した。 金融政策と企業の事業選択に関する分析に関しては、日本の産業別のデータを用いて非伝統的な金融政策が、各産業にどのような影響を与えているのかを考察した。企業行動を分析する前に株式収益率に与える影響を検証している。特に異次元的な金融緩和が行われる前後で、影響がどのように変化しているのかという点に注目している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度より開始した研究は萌芽的な形でディスカッションペーパー等にまとめられるようになっていて、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
ほとんどのプロジェクトは計画通りに進行しているので、引き続き当初計画通りに研究を遂行する。ただし一部の研究で、数値計算が可能なモデルの構築に時間を要している。そのために、数値計算に必要なコンピュータやソフトウエアに対する支出を2017年度に繰り越し、次年度に数値計算を開始した。
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