2016 Fiscal Year Annual Research Report
アジア発リバース・イノベーション:イスラーム圏と日本を中心として
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16H03660
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
櫻井 秀子 中央大学, 総合政策学部, 教授 (60203345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中屋 信彦 名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (20325559)
篠木 幹子 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (20398332)
木村 有里 杏林大学, 総合政策学部, 准教授 (40381652) [Withdrawn]
潜道 文子 拓殖大学, 商学部, 教授 (60277754)
今井 雅和 専修大学, 経営学部, 教授 (80305391)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 社会的企業 / イスラーム経営 / 日本的経営 / ワクフ / イラン / 日本 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果一覧に示したように、国内の発表に加え、国際的な発表も著書、学会発表において行った。7月に第一回研究会を開催し、研究の方向性、各分担者の研究担当の確認を行った。 具体的には、櫻井(研究代表者)は、EURAM(パリ)における報告、EMERALDよりの共著出版の準備の他、1月にはイランに出張し、ワクフ、慈善事業団体に関する調査を行うとともに、喜捨行動の社会調査のための打ち合わせをテヘラン大学社会学部の研究者と打ち合わせを行った。その結果を篠木(研究分担者)と共有し、今後の調査についての準備を開始した。潜道(研究分担者)は、EURAM(パリ)における報告、ならびにインドネシアのジョグジャカルタにおいて社会的企業のヒアリング調査を行った。そこにおける喫緊の課題がごみ問題の解決にあることが複数の企業の調査から明らかになった。篠木は、ごみ問題を環境の観点ばかりでなく、社会的企業の問題として位置づける研究を開始したことから、潜道との共通調査領域として今後調査を進める方向も確認した。今井(研究分担者)は、比較劣位優良企業の概念に関する研究を進め、論文等にまとめ発表した。中屋(研究分担者)は、習近平政権下で進行する成長至上路線の軌道修正と、欧米近代とは異なる独自の市場経済体制を志向する改革について分析した。現地調査では、市場経済下の共産党と党外各勢力との軋轢と協調をテーマとして、党外勢力として共産党と連携した財閥経営者や、ムスリム経営者などの資料収集を行い分析を開始した。3月には研究総括のための研究会を開催し、各メンバーの研究の内容、進捗状況の共有を行い、次年度の研究の方向性の確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
それぞれの担当の研究に専念する一方、研究会や学会を通じて各分担者との研究連携を順調にとり、国際学会における報告も行い次年度に向けての研究基盤を築くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
リバース・イノベーションの新たな動向を提示するために、引き続きアジアを中心とする社会合理性にもとづく経営のシステムの共通基盤を明らかにする一方、その具体的事例として、イスラーム圏と日本における社会合理的な経営をワクフ型企業とイエ型企業の多角的ビジネスの観点からそれらの類似性を考察する。 具体的な推進方策は、(1)現地調査(イラン、トルコ、中国、日本における現地調査を行う予定だが、特にトルコに関しては政情をふまえて実施の可否を判断する。)、(2)喜捨の統計調査、企業社会貢献の一環としてのごみ処理の社会調査の準備着手、(3)海外の研究協力者との研究打ち合わせ、(4)研究会の開催、(5)学会報告、論文執筆による研究成果の報告、である。
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