2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study for theory construction on consumer's preference reversal
Project/Area Number |
16H03675
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
守口 剛 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70298066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
外川 拓 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (10636848)
須永 努 関西学院大学, 商学部, 教授 (20438914)
阿部 周造 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 名誉教授 (30060015)
奥瀬 喜之 専修大学, 商学部, 教授 (30312440)
八島 明朗 専修大学, 商学部, 准教授 (30583223)
石井 裕明 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (50548716)
恩藏 直人 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70194652)
阿部 誠 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (70302677)
石田 大典 帝京大学, 経済学部, 講師 (80507872)
金子 充 京都女子大学, 現代社会学部, 助教 (50732476)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 消費者行動 / 選好の逆転 / 処理流暢性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、消費者行動における選好逆転という現象とそのメカニズムに焦点を当て、研究をすすめている。本年度は、複数の実証研究を実施し、選好逆転の発生とその要因について検討を行った。 本年度に実施した実証研究の一つが、消費者の移動方向と広告内の製品の向きの整合性による選好の変化である。自動車、靴、ペンなどのように、製品の中には方向性を有するものが存在する。一方で、消費者が移動しながら製品や広告に接する機会も多くある。例えば、店舗内を歩きながら製品を見たり、駅などの施設を歩きながら製品広告に接することがある。さらには、自分自身が動くのではなく、電車やバスに乗って移動しながら製品広告を見ることもある。これらの機会に、消費者の移動方向と製品の方向が一致する場合には、製品の向きを消費者が自然だと感じやすくなり、その結果処理流暢性が高まり、製品への選好が高くなる。この仮説のもとで、複数の実験を実施し、仮説を検証した。この研究成果は、消費者行動における選好の逆転、感覚マーケティングの研究領域に対する一定の貢献を果たすとともに、広告、店頭マーケティングなどの実務に対する示唆を有するものだと考えられる。 今年度は、上記の他、複数の実証研究によって、消費者行動における選好逆転現象に関する知見を蓄積した。今年度および昨年度の研究成果をもとにして、最終年度となる次年度の研究の方向性に関する整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、消費者行動における選好逆転現象をもたらすメカニズムの中で、処理の流暢性に焦点を当て、複数の実証研究によってその影響を確認した。実証研究の結果は概ね仮説支持的なものとなり、処理の流暢性の高低によって消費者の選好が変化することが確認された。これらの研究成果をもとに、最終年度となる次年度では、研究全体の整理を実施する。このように、研究全体の整理につながら実証研究がすすめられたことから、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる次年度においては、消費者行動における選好の逆転をもたらす要因として、感覚刺激に焦点を当て、その影響の仕方を整理する。さらに、3年間の研究成果を整理することで、研究課題に関する体系的な整理を行う。
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