2016 Fiscal Year Annual Research Report
会計上の見積りの監査における経営者の仮定の合理性と測定方法の適切性に関する研究
Project/Area Number |
16H03683
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
長吉 眞一 明治大学, 会計専門職研究科, 専任教授 (10315046)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
異島 須賀子 久留米大学, 商学部, 教授 (20336069)
伊藤 龍峰 西南学院大学, 商学部, 教授 (50184669)
井上 善弘 香川大学, 経済学部, 教授 (60253259)
森田 佳宏 駒澤大学, 経済学部, 教授 (90248534)
岸 牧人 法政大学, 経済学部, 教授 (90264324)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 見積り / 不確実性 / 経営者の主観 / 恣意性 / 財務諸表の粉飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,東証一部上場会社のうち金融・保険業を除く1,833社に対して会計上の見積りに関するアンケートを実施した。これらの会社を選択した理由は,これらの会社は実際に会計上の見積りを財務諸表に計上しているため会計上の見積りの計上に関して一定の基準を有し,とくに経営者の仮定については相応の基準を有していると考えられることと,日本基準,アメリカSEC基準,または国際会計基準のいずれかの基準に基づいて会計上の見積りを計上している会社も多いことから,それらの間の相互比較が可能になるからである。また,金融・保険業を除いたのは,これらの会社は一般の事業会社ではなく,一般の事業会社が事業を行う前提(金融)を取扱うという特殊な業種であるからである。 アンケートの内容は,「Ⅰ貴社の概要」,「Ⅱ会計上の見積りに関する貴社の方針」,そして,「Ⅲ会計上の見積りに関する項目別質問」である。「Ⅰ貴社の概要」はⅡとⅢの質問項目と関連付けて分析を行うために質問した。内容は,証券コード協議会が定める回答会社の業種,上場外国証券取引所名,監査担当の監査法人名,採用している会計基準,直近の総資産・負債・経常利益の額,回答者の職位の8項目である。「Ⅱ会計上の見積りに関する貴社の方針」の内容は,会計上の見積りに関する最終責任者の職位,外部専門家の利用の有無,恣意性排除のための方策,監査を担当している公認会計士等と意見が相違した場合の対応,会計上の見積額と実際発生額との差異分析の実施状況等の10項目である。「Ⅲ会計上の見積りに関する項目別質問」は,商・製品,繰延税金資産,貸倒見積額,工事契約,そして減損損失の5項目につき詳細に質問した。 アンケート項目の設定は平成28年4月から8月にかけて行い,発送は10月27日,回答期限は平成29年1月31日,そして回収した回答の解析は平成29年2月から5月(予定)にかけて実施している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,当初の予定どおり,東証一部上場会社に対して会計上の見積りに関するアンケートを実施した。アンケートの発送と回収期限は1か月ほど遅れ,発送日は平成28年10月27日,回収期限は平成29年1月31日とした。アンケート結果の解析は平成29年2月より実施し,現在おおむね順調に推移している。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在,平成28年度に東証一部上場会社に対して実施した会計上の見積りに関するアンケートの解析を実施しており,平成29年5月に終了する予定である。この解析結果は,『企業会計』(中央経済社)の平成29年8月号から平成30年1月号までの6号にわたって,研究代表者と研究分担者がそれぞれ1人1号で連載する予定である。この他,研究代表者と研究分担者は,個別に,各所属大学の紀要や商業雑誌等に研究成果を公表する予定である。
|
Research Products
(6 results)