2017 Fiscal Year Annual Research Report
市民社会とともに歩むコモンズ―中山間地域活性化の数理社会学的研究―
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16H03698
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
中井 豊 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (00348905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧川 裕貴 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (60456340)
金澤 悠介 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (60572196)
朝岡 誠 立教大学, 社会情報教育研究センター, 助教 (70583839)
富永 京子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70750008)
吉良 洋輔 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (80748757)
堀内 史朗 阪南大学, 国際観光学部, 准教授 (90469312)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 倫理的消費 / 社会的企業家 / クラウドファンディング |
Outline of Annual Research Achievements |
29年度は、どのような人が地域支援目的の倫理的消費をするのか明らかにするためにインターネット調査を行った。その結果、一定層の人が地域支援の倫理的消費をおこなっていることがわかった。彼らは倫理的消費をおこなうと同時に株式投資やクラウドファンディングにも積極的であり、高収入・高年収で、仕事や生活の中で頻繁に長距離移動をする傾向にあることがわかった。グローバル化の中で生じた新しい消費者層の存在が浮かび上がってきたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理的消費者や社会的企業家の意識・行動に関する経験的調査(アンケート、インタビュー)は順調に進行している。一方、クラウドファンディングにおける寄付行動については、プライバシー保護の観点から、データの取得が困難であることが分かってきた。それに伴い、数理モデルの検討に遅れが出ている。今後は、データ取得が可能な寄付を募る社会的企業家のデータ取得に注力してゆく。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たる30年度は、このような消費者が存在することをふまえ、起業家たちがどのような販路戦略と資金調達戦略をとっているか、あらためて聞き取り調査や参与観察などをおこなうことで、起業家と消費者のマッチングの可能性について分析していく。 【経験的調査】西粟倉村の起業家や、地域の倫理的消費を促進する代理店などの実態調査を行い、彼らが想定している消費者像を明らかにする。また、(西粟倉に限らず)起業家が、資金調達に当たって、公的制度とクラウドファンシングをどの様に使い分けているか聞き取り調査を行う。 【クローリング調査】29年度までに取得したクラウドファンディングサイトのデータを使って、社会的企業家が資金調達に成功する要因を探索する。 【モデル構築】移動に伴うネットワーキング進化のモデル(堀内2011、Horiuchi and Takakura in pressなど)を発展させて、頻繁に地域間移動をする人が存在することで都市の消費者と田舎の起業家が連携する条件について分析する。また、消費と投資の連動を前提にコモンズ財の生産モデル(小池・中井2014)を発展させ、倫理的消費のジレンマと社会的投資のジレンマを同時に克服し得るか理論的に検討する。
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Research Products
(9 results)