2019 Fiscal Year Annual Research Report
市民社会における記録とアーカイブズの意義に関する国際比較研究
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16H03705
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
藤吉 圭二 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (70309532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 順太 獨協大学, 法学部, 教授 (20382690)
横大道 聡 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (40452924)
磯村 和人 中央大学, 理工学部, 教授 (60241733)
安倍 尚紀 大分県立芸術文化短期大学, その他部局等, 講師 (90401710)
阿部 哲 神戸大学, 国際人間科学部, 助教 (90732660)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アーカイブズ / 説明責任 / 主権者教育 / 知る権利 / 記録と記憶 / レコードマネジメント / ナレッジマネジメント / サンフランシスコGLBT歴史協会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アーカイブズの社会的意義を、(1)記録による業務コントロール、(2)ナレッジマネジメント、(3)市民社会とアーカイブズ、(4)社会統合とアーカイブズ、(5)市民活動としてのアーカイブズという5レベルに設定して、アーカイブズという考え方およびその役割がそれぞれのレベルにおいてどのように受容されているかを調査し、比較・分析することをめざした。時間的・予算的制約から当初計画したすべての地域についての調査はできなかったが、(1)と(2)については企業活動を中心に実地調査と文献調査を踏まえ、国際学会での発表を実施した。(3)と(4)についてはマレーシア、イラン、アメリカ各地での調査を踏まえ、国内外の社会学、人類学関係の学会での発表を実施した。その一方、アーカイブズ広くは記録国家運営においてどのように位置づけられているか、特に公的記録の扱いについて法制面から検討し、国民の「知る権利」と他の国家的利害との調整がどのように定められ実際に運用されているかを検討した。また、(4)についてはサンフランシスコのGLBT歴史協会の関係者を招聘し国内3箇所で講演会を開催し、そこでの議論を通じて学術領域と市民運動領域の関係を視野に入れることの重要性が確認され、このテーマをレベル(5)とも関連させつつ検討することとなった。過去の記録の保存と提供・公開には、その記録が作られた時点での文脈が重要になる。性的マイノリティには法的にも社会的にも存在を許されていなかった時代、否定的に位置づけられていた時代があり、その時代の記録を、当時の否定的な位置づけも含めて提供することには重大な問題が生じる場合もある。過去の記録をありのままに提供することと、それを現在の視点から捉え直すこととの間にある緊張関係については今後さらに検討していく必要があることが明らかになった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)