2016 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト福祉社会の地域づくりにおける社会教育的アプローチに関する理論的・実証的研究
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16H03757
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 満 東北大学, 教育学研究科, 教授 (70171527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 研道 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (00364323)
村田 和子 和歌山大学, 地域連携・生涯学習センター, 教授 (00511370)
宮崎 隆志 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (10190761)
田中 雅文 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (10217078)
岡 幸江 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (50294856)
松本 大 弘前大学, 教育学部, 講師 (50550175)
櫻 幸恵 岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (60347185)
槇石 多希子 仙台白百合女子大学, 人間学部, 教授 (80209402)
上田 幸夫 日本体育大学, 体育学部, 教授 (90103564)
渡邊 洋子 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (70222411)
農中 至 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 特任講師 (50631892)
内田 純一 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (80380301)
柴田 彩千子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20366800)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域づくり / 学習 / ボランティア / 災害 / 健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1の課題である「歴史・理論研究」では、イギリス・日本の先行研究、CCD研究の検討するために、研究会を隔月(5、7、9、11、1月、計5回)開催することができた。 第2の「健康研究」では、高齢者の自主活動に関する調査を継続的に実施し、それを記録することができた。 さらに、第3の「被災地域研究」では、災害時の支援拠点をおいた登米市の公民館に関する調査を実施することができた。 これらの諸調査をもとに日本社会教育学会で研究成果を発表することができた。とくに理論研究としては、研究代表者の高橋満が「地域づくりと社会教育~いくつかの論点」をだして課題を提起した。 また、インドネシアで開催された生涯学習国際会議で基調報告を行ってきた。さらに、災害地域研究では、災害時に支援の拠点を形成してきた登米市の公民館調査を実施するとともに、「学習経験と震災ボランティア」というテーマの論文を執筆してきた(平成29年4月発行予定)発行することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本テーマの研究をもとに、①研究成果をもとに国際学会で基調報告をしていたこと、②地域づくりと関連する災害地域の研究で共同執筆の論文を発行する準備をしてきたこと、③さらに、「学習経験と震災ボランティア」として、学習経験の有無がボランティア活動と関連すること、かつ、貨幣換算しても大きな価値を実証的に明らかにしてきたことなど、大粋なインパクトをもつ研究として展開している点である。
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Strategy for Future Research Activity |
「地域づくりへの社会教育的アプローチ」をめぐり、なお、究明すべき課題が多く残されている。第1に、理論的・政策的研究である。この点では、イギリスの研究蓄積からより多くの点を学ぶ必要がある。第2に、歴史的視点を考慮した評価が必要である。地域づくりは、即効性のある取り組みではない。長期にわたる視点から、どのように評価すべきなのかを究明する必要がある。この点で、過去の地域づくり、地域再生の取り組みを事例に検討をくわえる必要がある。第3に、比較の視点である。先進的事例として欧米の研究や事例を取り上げることは誤りではない。しかし、同時に、社会的・文化的差異、社会的諸課題の差異を考慮にいれつつ、日本の理論研究や実践を評価すべきである。これらの視点をいれつつ、次年度は検討を進めていきたい。
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