2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Development of Research/Education Methodology in Continuing Education of Woman Clinical Professionals; construction and application of Career History Method
Project/Area Number |
16H03763
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡邊 洋子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70222411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
犬塚 典子 田園調布学園大学, 子ども未来学部, 教授 (70400471)
池田 雅則 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60609783)
柴原 真知子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (40625068)
種村 文孝 京都大学, 教育学研究科, 助教 (80806711)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 専門職教育 / キャリアヒストリー / 医療専門職 / 生涯継続教育 / ジェンダー / キャリアデザイン・キャリア教育 / 成人学習/教育 / 生涯学習/教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現代の女性医療専門職の生涯にわたる職業継続教育(生涯教育)の課題、特に女 性医師のキャリア形成・継続をめぐる実践的課題に注目し、①キャリア変遷分析の方法論、②課題克服に向けた自己省察の手段、の両機能をもつキャリアヒストリー法を新たに構築するとともに、その活用方法の提起を目指して行うものである。研究活動は、渡邊の呼びかけにより、研究代表者・分担者・補助 者で組織される「キャリアヒストリー研究会」の活動として展開されてきた。同研究会は当初は京都大学を 足場に関西の研究者で組織されたが、2017 年 4 月に渡邊と分担者犬塚が関東周辺に異動したため、 以後は月一回、主に京都に集まって研究会を開催する活動形態を取っている。
研究活動は、平成28年度は、医学専門諸領域における女性専門職の生涯キャリアに注目し、研究メンバーの問題関心や実践経験を共有した。医師・看護師・管理栄養士・言語聴覚士など各領域の キャリア形成・キャリア支援に関わる内外の調査研究の動向を報告し合い、研究課題と論点の抽出に努めた。またイギリスとカナダの医学・医療者教育の場に赴き、情報収集と実態把握を行った。これを受けた平成 29 年度は、前年度の成果と議論を踏まえ、キャリアヒストリー調査法の方法論的開発に力を注ぎ、事前文書からインタビューガイド、複数のワークシートなどに至るフォーマットと具体的段取りの策定・検討を行った。2017年秋以降、これらを用いた試行的調査(女性医師・女性看護師を対象に、インタビュー調査の形態で モニター協力していただく試み)に取り組んでいる。同調査法は、当事者が現時点に至るまで、どんなキャリア・ライフプロセスと転換点を経てキャリアを継続・発展させ、ライフを生き抜いてきたかを構造化することによって、キャリアヒストリーの視覚化とその研究的・実践的活用の方途を探るものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、①地域的に離れた研究メンバーとはいえ、全9回のキャリアヒストリー研究会を実施できたこと、②暫定版Ⅰのキャリアヒストリー調査フォーマットを作成し、それを用いて計6名(女性医師5名・女性助産師1名)のモニターインタビューが実施できたこと、③中間年ながらも、平成28年・29年に蓄積した研究成果をまとめて『研究成果中間報告書「女性医療専門職における生涯継続教育の方法論開発ーキャリアヒストリー法の構築と活用』(全87頁)を編集・刊行できたこと、などにおいて多くの成果が得られた。なお、インタビューについては4月6日にも看護師対象のインタビューを追加実施しており、さらに数名の実施を見込んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
Ⅰ キャリアヒストリー分析フォーマット【暫定版 II】の作成ーまずは、平成29年度に実施したキャリアヒストリー分析フ ォーマット【暫定版 I】を用いたインタビュー調査結果の分析と検討を行う。研究会内における改訂版の作成に向けた議論に加 え、自己省察叙述を用いた他の方法論との比較を試みる。以上を踏まえて、分析フォーマット【暫定版 II】を作成する。 Ⅱ 【暫定版 II】を用いてのインタビュー記録の再分析と課題の明確化ー【暫定版Ⅰ】を用いて実施したインタビュー記録について、【暫定版Ⅱ】を用いて再分析し、そこでの課題を明確化する。必要に応じて適宜、追加のインタビューを行う。 Ⅲ 医学/医療者教育におけるキャリアヒストリーを用いたワークショップの実施ーまず、卒前/卒後/生涯教育それぞれの 段階の学生や医師、医療者について、ワークショップの実施可能性とその具体的方策を検討・吟味し、対象者を絞り込む。次に 、ワークショップのパイロットプログラムを企画・立案し、実施する。ワークショップ実施にあたっては、アクション・リサー チの手法を用いたデータ収集と分析を行う(参与観察、事前事後のインタビュー、質問紙調査など)。 Ⅳ キャリアヒストリー法の検証:国内外の研究者・実践者との研究交流―キャリアヒストリー法の汎用性、研究方法論・ 実践方法論としての妥当性や課題に ついて、国内外の幅広い研究者、実践者と研究協議を行う。 Ⅴ キャリアヒストリーに関する学会発表、学術書・実践ガイド等の執筆ー日本教育学会ラウンドテーブル、日本社会教育学 会自由研究発表部会などにおいて、調査研究で得られた知見を発表する。また、『キャリアヒストリー研究方法論』 (仮)、 『医学/医療者教育 キャリアヒストリーワークショップガイド』(仮) など、教育学研究と医師・医療者養成実践の両方に貢 献できる書籍の企画・準備作業に取り組む。
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Research Products
(14 results)