2016 Fiscal Year Annual Research Report
教育と社会福祉の連携によるウェルビーイングの実現をめざす教育福祉の総合的研究
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16H03766
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
望月 彰 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40190954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 理絵 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (60249282)
三山 岳 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (80582858)
瀬野 由衣 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (10610610)
吉川 雅博 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (20315865)
大村 眞依子 (渡邉眞依子) 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (60535285)
田川 佳代子 (沖田佳代子) 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (10269095)
内田 純一 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (10457913)
柴田 有記 (大賀有記) 愛知県立大学, 教育福祉学部, 講師 (30708748)
村田 一昭 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (20381741)
堀尾 良弘 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40326129)
宇都宮 みのり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (80367573)
橋本 明 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40208442)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教育福祉 / ウェルビーイング / スクールソーシャルワーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
教育と社会福祉の諸施設・機関(なかでも人の生涯にわたる生活力形成に関わる学校)が抱えている支援上の困難に着目し、問題解決のための地域における実効的な支援論および支援体系の解明を目的として、2016年度には、全体的な研究活動として「スクールソーシャルワ-ク教職員研修のプログラム開発」を実践的に追求するとともに、子育て・家庭支援分野、地域文化の創造分野、子ども・若者支援・更生保護・就労支援分野、障害児者・高齢者支援分野、教育福祉法制度・政策・行政分野の5チームを編成し研究活動を行った。 全体的な研究活動として3回にわたるスクールソーシャルワーク教職員研修を実施するとともに、分野ごとに学習会や連続講演会を企画実施した。具体的には、①最近の教育政策の動向―「学校と地域の連携・協働」・「チームとしての学校」・貧困対策等(講師:川口洋誉・愛知工業大学、7月7日)、②SSW実践スタンダード学習会(講師:馬場幸子・東京学芸大学、3月4日)、③改正児童福祉法と子どもの権利(講師:吉田恒雄・駿河台大学、3月25日)を企画実施した。また、連続講演会「災害と教育・福祉」を企画し、第1回:東日本大震災から学んだ心理社会的支援-子どもと高齢者への支援(講師:上山眞知子・山形大学)、同-外国人への支援(講師: J.F.モリス・宮城学院女子大学、9月23日)、第2回:平時と災害時における弱者の支援-子どもの貧困の観点から(講師:阿部彩・首都大学東京、10月21日)、第3回:命を守るために-東日本大震災を経て学んだこと(講師:櫻井広行・ゆりあげ港朝市協同組合代表理事、11月16日)を実施した。これらの記録は、「2016年度愛知県立大学スクールソーシャルワーク教職員研修・教材集」、同「修了レポート集」及び愛知県立大学人間発達学研究科「人間発達学研究」第9号(2017年3月)等に掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、方法的基盤として愛知県立大学教育福祉学部の教員による教育福祉論の構築を目指す協働体制づくりを目指している。そのため、教育学分野と社会福祉学分野における基本課題を共有化し、現代教育福祉論として構築するための基礎的共同研究を行い、教育と社会福祉の関連に関する問題状況の分析と理論的検討を進めた。 その課題は、全体的研究活動と各分野での研究活動においてほぼ順調に進展している。ただし、当初想定していた研究課題を追究していく中で、諸課題に対する研究上の視点の相違やそれらの関連づけをはじめ各分野において新たに浮上してきた課題もあり、また、分担研究者の個別テーマの追究と本研究における基本課題の追究との間の調整が、研究遂行上の課題になっている。そのため今後、研究課題や協働体制の再編などの軌道修正を行う必要がある。 全体的な研究活動として行っている「スクールソーシャルワ-ク教職員研修のプログラム開発」に関しては、本研究の先行する研究活動の成果でもあり、実践的基盤ともなっている愛知県特に愛知県立大学近隣自治体でのスクールソーシャルワーカー活用事業が一定の展開を見せていることから、これまで研修を受講してきた学校現場教職員へのアフターフォローとしての実践検討会の成果を含めて、学校現場とリンクした効果的なプログラム開発ができている。学校現場や各自治体教育委員会からは、愛知県立大学におけるスクールソーシャルワーカーの養成や、配置が進みつつあるスクールソーシャルワーカーに対する研修も加えてほしいとの要望も出されており、本研究の成果が地域・自治体に高く評価されつつある。 さらに、教育と社会福祉の連携を進めている自治体を訪問調査し、行政担当者や専門的支援に携わる支援者が抱える困難およびその背景にある制度・政策的課題について実態調査を行い、2017年度にはその成果を学会で発表することが決定している。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度には、「当事者のニーズ把握と支援論の探究」を年度テーマとして設定している。そのために、まず、2016年度に方法的基盤に関わる課題として生じた研究課題や協働体制の再編を行いながら、基本課題である「教育と社会福祉の連携によるウェルビーイングの実現をめざす教育福祉の総合的研究」を進めていく。 具体的な推進方策としては、まず研究分担者による分野別研究活動に関しては、本研究に関わる研究分担者の個別テーマの探究を支援するとともに、共通の研究課題や協働体制の軌道修正を行う。そのうえで、各分野においてそれぞれの研究会で精査した検討課題を整理し問題状況を解明するために当事者のニーズ調査を行うとともに、初年度に引き続き、教育と社会福祉の連携を進めている自治体を訪問調査し、行政担当者や専門的支援に携わる支援者が抱える困難およびその背景にある制度・政策的課題について実態調査を行う。 また、全体的な研究活動としては、「スクールソーシャルワ-ク教職員研修のプログラム開発」を継続的に実施するとともに、2016年度に学校現場等から提起された愛知県立大学におけるスクールソーシャルワーカーの養成及び研修の実施可能性について検討するとともに、そのプログラム開発についても検討を行う。 さらに、「当事者のニーズ把握と支援論」を探究するためには、さまざまな課題を持つ当事者自身の思いを把握することが不可欠であり、そのためのニーズ調査を行う。また同時に、各分野での研究会において支援活動の実践者との協働による実践検討を進め、全体研究会において問題意識や研究・実践上の課題及び研究成果の共有化を進めることで、当事者の権利やニーズに適切に対応しうる支援論の総合的な理論的検討を行うことを目指す。
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Research Products
(14 results)