2016 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本準専門職形成史の研究:キャリアコース・試験情報・専門性向上言説を中心に
Project/Area Number |
16H03767
|
Research Institution | Takasaki University of Commerce |
Principal Investigator |
菅原 亮芳 高崎商科大学, 商学部, 教授 (40348149)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 小百合 高崎商科大学, 商学部, 准教授 (20458459)
下山 寿子 高崎商科大学, 商学部, 教授 (30287908)
高瀬 幸恵 立教女学院短期大学, その他部局等, 准教授(任期制) (30461792)
船寄 俊雄 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40181432)
石渡 尊子 桜美林大学, 心理・教育学系, 准教授 (40439055)
小口 江美子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (50102380)
釜田 史 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (60548387)
山本 朗登 山口芸術短期大学, 保育学科, 講師 (60611704)
渕上 勇次郎 高崎商科大学, 商学部, 教授 (70173507)
俵積田 ゆかり 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (70568857)
吉野 剛弘 東京電機大学, 公私立大学の部局等, 講師 (90369893)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 準専門職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は科研プロジェクト第1年目であり、第2年目から本格的なジャーナリズムにあらわれた準専門職像の研究を行うための基礎作業を中心に行った。研究分担者11名と近代高等教育史研究の専門研究者を招き、そして研究協力者となっていただきながら広く関連分野の研究者に協力を求め、学際的に組織運営した。3回の研究連絡会を実施した。 (1)研究の目的と観点、すなわち戦前には高度の専門職とみなされず高学歴も要求されなかった諸職業(=「準専門的ないし半専門的職業」)が資格化されて行ったプロセスを、計理士・会計士、薬剤師、産婆(助産婦)、看護婦、初等学校教員、実業教員、「特殊教育」の教員、保姆・幼稚園教員の8種について確かめること、その上で専門雑誌、団体史、受験雑誌、進学案内書、職業案内書等のメディアを通じて、①キャリアコース・試験情報はどのように伝えられたか、②それと併行して情報を発出した側は、専門性向上に関してどのような言説を発し続けたかを実証的に検討するをメンバーで共通確認を行った。 (2)各研究者は担当の準専門職と専門雑誌や機関誌、団体史等を収集し、それぞれ記事の収集やデータベース化につとめ基礎的作業を発表した。 (3)結果として「準専門職の基本的特徴」と「日本の教員の専門職論の系譜・序説」と「産婆(助産婦)の専門職化過程」のそれぞれの研究を各所属する大学の紀要に公表することができた。 (4)このような作業を通して、準専門職研究の構成要件を確定することに成功している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(2)とした理由は、以下の通りである。 ①上記の研究課題を達成するためには各研究分担者が担当する専門団体と専門雑誌の内容分析等が充分とは言えないため。 ②中間報告書の目次構成はほぼできあがっているが、更なる資料並びに史料調査を必要とし、そのデータベース化、資料集づくりが未完であるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、前年度の作業を踏まえ、申請書の「研究目的」に列挙した2つの観点から以下のように研究を展開したい。 (1)各種雑誌等を研究対象として歴史的分析を行う。前年度に調査した計理士・会計士、薬剤師、産婆(助産婦)、看護婦、初等学校教員、実業教員、「特殊教育」の教員、保姆・幼稚園教員関係情報メディアを対象とする。 (2)各種雑誌の歴史分析を行う前提として、準専門的職業の資格整備過程を展望しメンバー同士共有する(全員)。 (3)各雑誌メディアを、各担当者は、研究目的に則して、(ア)各資格制度の拡大・普及過程はどのように伝えられたか、(イ)キャリアコース・試験情報はどのように伝えられたか、(ウ)情報を発した側は、専門性向上に関してどのような言説を発し続けたか、という3つの観点から、各専門メディアの記事を選び出し、データベースを作成し、次年度に備える。本年度は、薬剤師、教員、保育士などの専門研究者及び近代高等教育史研究の専門研究者を選び研究連絡会に講師として招待し、資格の制度化過程とメディアの歴史、情報の発信者・受け手等について専門講義を依頼する。
|