2017 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児の不注意傾向と描線行動の相関解明による書字支援効果の横断的研究
Project/Area Number |
16H03790
|
Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
鶴巻 正子 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (40272091)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高浜 浩二 作新学院大学, 人間文化学部, 准教授 (40616299)
丹治 敬之 岡山大学, 教育学研究科, 講師 (90727009)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 書字支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では多動性-衝動性の高い児童や自閉スペクトラム症(以下,ASD)傾向のある児童には書字支援に一定の効果がみられるのに対し,知的な遅れがない不注意傾向の児童には書字の獲得に時間を要する事例が報告されている(鶴巻,2010)。本研究では,「不注意」と描線困難の関連を仮定し,「不注意」調査用質問紙,描線・書字課題,視線追跡測定の横断的研究から相関を分析する。その結果を反映させた描線・書字獲得促進プログラムとして,運動遊びとビジョントレーニング(幼児用),自作アプリを活用した個別支援とICTを利用した学級集団内での指導(児童用)による実証的研究を発達段階に応じて推進し,担任教師にも問題の所在が気づかれにくい不注意傾向の発達障害児に応じた書字支援のあり方と効果を検討することを目的とした。 特別支援教育と応用行動分析を専門領域とする代表者及び研究分担者2名,認知科学や発達心理を専門とする連携研究者2名,教師や保育士として経験豊富な研究協力者5名による研究組織で,互いの専門性を最大限に活かしながら,代表者が中心となって自作アプリを改良し,さらに,それに基づき代表者と分担者がそれぞれ予備調査を継続し,さらに必要と思われる自作アプリの改良点を明らかにした。また,発達障害のある幼児や児童を対象とした親子向け支援教室を継続的に運営し,児童を対象に自作アプリの参加者を依頼し改良点を明らかにした。連携研究者や研究協力者の協力を得ながら運動遊びを取り入れた場を設定し研究参加者の実態把握を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不注意傾向解明の準備を進めるとともに個別式e-支援システムアプリを開発し,実施したことにより調査を行い改善点をさらに明らかにした。連携研究者や研究協力者の協力を得ながら運動遊びを取り入れた場を設定し研究参加者の募集と実態把握を行うなどおおむね計画通り進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
おおむね予定通り進んでいるので,距離的に離れている代表者と分担者はメールなどでさらに互いに密接に連携を取る。必要に応じて3人が集まりやすい学会の期間を利用して打合せをしながら,当初計画を進めていくようにする。研究協力者として依頼している保育士や教員と代表者はすぐに連絡を取りあうことができるので,互いの専門性を活かしながら不注意傾向の解明,及び描線と書字に対する実証的研究を推進していく予定である。
|