2018 Fiscal Year Annual Research Report
Well-posedness and stability of incompressible and compressible flows with phase transition
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16H03945
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 扇丈 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (50273165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 芳則 京都大学, 人間・環境学研究科, 名誉教授 (30115646)
小林 孝行 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50272133)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 偏微分方程式 / Navier-Stokes方程式 / 関数解析 / 実解析 / 最大正則性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は主として以下の4つの成果を得た. 1) 3次元以上の全空間R^nにおいて, 与えられた外力が尺度不変な斉次Besov空間で十分小さければ, 定常Navier-Stkoes方程式の尺度不変な斉次Besov空間に属する解が一意的に存在することを証明した. ここで斉次Besov空間の可積分指数pには1以上nより小さいという制限がついている. 応用として, 定常Navier-Stkoes方程式に対する自己相似解を得た. 2) Navier-Stokes方程式の2次元以上の全空間R^nにおける初期値問題において, 尺度不変な斉次Besov空間に属する小さな初期値に対して, 時間大域的な軟解が存在して, Serrinクラスに属することを証明した. 逆に, 時間大域的な解がSerrinクラスに属せば, 初期値は必然的に尺度不変な斉次Besov空間に属することを証明した. 3) 3次元外部領域における減衰しない初期値に対する初期値-境界値問題を考察した. 本質的有界かつコンパクトな台を持つ無限回微分可能な関数空間で発散ゼロの空間を, 空間1階微分の Lp (p>3)ノルムで完備化した空間に属する任意の大きさの初期値に対して, 時間大域的な弱解が存在することを証明した. 4) 2次元外部領域におけるLr-調和ベクトル場の次元を導いた. Lr-調和ベクトル場は法線方向が0である境界条件を課した空間Xrと, 接線方向が0である境界条件を課した空間Vrを考察した. 2次元の場合には, 90度回転させるとXrとVrは等しくなるため次元も等しくなる. これらの次元は, 2より大きく無限未満のrに対しては空洞の個数に等しく, 1より大きく2以下の間のrに対しては空洞の個数-1であることが決定された. 2は2次元のPoisson方程式の斉次Dirichlet境界問題の弱解の可解性の閾値である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
定常Navier-Stokes方程式の尺度不変空間における定常解の一意存在, 非定常Navier-Stokes方程式のSerrinクラスの特徴づけ, 3次元外部領域における非定常Navier-Stokes方程式の減衰しない大きな初期データに対する時間大域的な弱解の存在など, 相当の研究成果が得られため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は, 主として端点正則性定理とNavier-Stokes方程式の自由境界問題についての研究を遂行する.
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Research Products
(13 results)