2018 Fiscal Year Annual Research Report
単一光子検出法による0.1meV領域の宇宙由来アクシオンの探索
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16H03974
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小川 泉 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (20294142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 明 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00229519)
中島 恭平 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (30722540)
玉川 洋一 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40236732)
時安 敦史 東北大学, 電子光理学研究センター, 助教 (40739471)
松木 征史 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (50037941)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / ダークマター / アクシオン / リドベルグ原子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、暗黒物質の正体をアクシオンであると考え、リドベルグ原子を用いた単一光子検出装置による探索実験を行うことを目的としている。具体的には、これまでの探索実験装置における課題であった共振空胴中の残留電場による影響を解決すべく現有装置CARRACKを改良し、全ての標準的アクシオン模型に感度のある探索実験を行い、質量ma = 100μeV近傍の領域における暗黒物質・アクシオンの存在の検証を行う。 平成30年度は昨年度に引き続き、現有装置CARRACKの改良を主として行った。具体的には、1)リドベルグ原子ビームとして残留電場の影響を受けにくいカリウムを採用したバンチ化原子ビーム発生装置の開発、2)アクシオン転換光子を吸収したリドベルグ原子を検出するためのフィールドイオン化装置の改良である。 1)は、原子ビーム発生部・第一圧縮部・加速部・第二圧縮部・速度選別部・ビームモニター部からなる。本年度は昨年度に発生した真空リークを修正後、引き続き性能試験を行うとともに、レーザーの光学系の整備を進めた。前年度までの個別試験の結果に基づき光学径路を設計した。 2)は長時間の測定において不安定であった既存の検出器(チャンネルトロン)から、加速電極・シンチレータ・光ファイバー・光電子増倍管からなるシステムへの変更である。昨年度に行ったテスト用真空装置での性能試験で判明した光電子増倍管の熱雑音によるバックグラウンドをおさえるべく、冷却装置の設計と組み込みを行った。ハードウェア及びソフトウェアからなるデータ取得システムの整備も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の実験場所の変更に伴う遅れを回復するには至っていない。また、新しい実験場所は借用料が必要なため、当初予定していた予算配分を変更せざるを得なくなった。物品の新規購入を控えて、いくつかの老朽化した装置(真空ポンプ、検出回路等)を修理をしながら使用しているため、時間的な遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
バンチ化原子ビーム発生装置については、引き続いて、第二圧縮部・速度選別部を組み込んでテスト実験を行う。フィールドイオン化部については、光電子増倍管の冷却装置のテストを行い、全体としての性能確認試験を行う。さらにCARRACK装置の各部分(共振空洞、超伝導マグネット、励起用レーザー、希釈冷凍機、制御・データ取得系)についてメンテナンスと性能確認テストを行い、探索実験に備える。 最終的に全体を組み立ててテスト運転を行い、アクシオン探索実験に十分な性能が得られていることを確認する。
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Research Products
(1 results)