2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H04059
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
亀田 真吾 立教大学, 理学部, 准教授 (30455464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 豪 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (50734026)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 系外惑星 / 地球型惑星 / 外圏大気 / 強紫外線 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球に類似した系外惑星の発見に向けて大型計画が複数進行しており, 地球型大気の観測検討が急速に進みつつある. これは超高層物理学の新たなる最重要課題であるにもかかわらず, 天文学分野を中心に観測的研究が進められてきた背景から, 地球大気の主要な物理量である紫外線輻射量や酸素原子量については, 観測の見込みすら立っていない. この状況を打破するために, 本研究では地球惑星大気の観測で蓄積された技術を継承し,太陽系外の地球型惑星の観測手法の検討と技術開発を進めてきた。 地球では、金星や火星に比べて、大気中に酸素が豊富に存在し、高層大気が大きく広がっている。これは、光合成植物によって酸素が常に大気へ供給されているためである。さらに、高層大気の広がりは、大気の温度と関係する。金星や火星では、CO2の存在度が高く、その赤外放射冷却によって高層大気はそれほど高温化しない。一方、地球では、CO2が少ないため高層大気は高温化し、大きく広がっている。こうした違いは、M型星まわりのハビタブルゾーンのように、強紫外線環境で特に顕著である。大気中のCO2量に関する地球と金星・火星の違いは、海と大陸の有無と関係することが知られている。地球のような海と大陸を持つ惑星では、大陸風化によって大気中のCO2は除去され、海底やマントルに固定される。つまり、酸素大気の広がりは、海と大陸、つまりプレートテクトニクスの存在を示唆するものであると言える。この現象を捉えるために、紫外線分光観測の検討を進めてきた。当該年度中にはロシアの1.7m紫外線望遠鏡開発チームから装置提供の依頼があり、日本から分光器を提供することを検討している。その検出器にファネル型MCPを使うことで効率が1.5倍程度まで向上することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ロシア宇宙機関より、1.7m紫外線宇宙望遠鏡システムへの装置提供の依頼があった。当初の計画では30cm程度の超小型計画を想定していたが、1.7m鏡を使うことで強紫外線環境にある地球類似惑星周辺の酸素原子大気の有無を判別することができる探索範囲が広がり、10個程度以上の地球型惑星の観測ができる見込みとなっている。このような状況から、望遠鏡システム開発よりも分光システムの効率向上を重視し、本年度は特に検出器の量子効率向上のための実験を進めた。近年になって開発されたファネル型MCPによって、荷電粒子の検出効率が向上することは知られていたが、真空紫外線の量子効率向上に必要な光電物質であるCsIを蒸着した際に、検出効率が向上するかどうかは不明であったため、実際に装置を作成し、想定通り量子効率が向上することを確認した。また、ロシアとの開発分担・スケジュール調整を進め、2022年の打ち上げに向けて、日本側では宇宙理学委員会に系外惑星紫外分光WGを申請し、承認されている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きロシアの1.7m紫外線宇宙望遠鏡を利用して、10個程度以上の地球型惑星周辺の酸素原子大気観測を目標として研究を進める。既に開発済みの技術によってこの目標は達成できる見込みであり、今後は要素開発から、分光器システムの開発に移行していく。 また、装置の実現性には一定の目処が立ちつつあるが、系外惑星系、特に低温度星周辺の地球型惑星において、大気がどのような状態になるか、より詳細な検討が必要である。強紫外線環境にあり、太陽系の地球型惑星とは異なる大気を持つ可能性についても検討し、紫外線分光観測により得られる成果とその見込みについて検討を続ける。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Imaging observations of the hydrogen coma of comet 67P/Churyumov-Gerasimenko in September 2015 by the PROCYON/LAICA2017
Author(s)
Shinnaka, Y., N. Fougere, H. Kawakita, S. Kameda, M. R. Combi, S. Ikezawa, A. Seki, M. Kuwabara, M. Sato, M. Taguchi, I. Yoshikawa
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Journal Title
Astronomical Journal
Volume: 153
Pages: 76-81
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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