2017 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Molecular Separation and Condensation Systems Based on Host-Guest Chemistry in the Crystalline State
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16H04130
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
生越 友樹 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (00447682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 忠明 金沢大学, 物質化学系, 教授 (90220251)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ピラーアレーン / 結晶 / 末端認識 / 蛍光発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子量の高分子は優れた耐熱性、機械特性を有する。そのため幅広い分子量を有する高分子の中から高分子量体のみを容易に分離・取り出す技術は重要である。現在までは液体クロマトグラフィーを用いて高分子量体を得ることができるが、本研究では溶融した高分子にピラーアレーンを浸漬させると、ピラーアレーンは高分子の高分子量体のみを選択的に取り込むことを見出した。また興味深いことに、高分子の末端をも見分けて選択的に取り込むことを見出した。ポリエチレンオキシド鎖を用いた場合、末端が水酸基、アミノ基及びアルコキシ基の場合は、短時間でポリエチレンオキシド鎖を包接する。一方でトシル基、カルボン酸基の場合は取り込みに時間を要することがわかった。この現象を利用することで、水酸基とカルボン酸基の末端を有するポリエチレンオキシドの混合物から、水酸基を有するポリエチレンオキシドを選択的に取り込むことに成功した。高分子の末端は、非常に長い主鎖にくらべて小さな部位であるために、その違いをピラーアレーンのバルク中での取り込みによって分離できることは非常に画期的である。これまでにない末端官能基の異なる高分子の分離・精製法につながるといえる。 またピラー[6]アレーン結晶を1置換ベンゼンの蒸気に曝して吸着特性を調べたところ、吸着する一置換ベンゼンの種類により、目視で青色発光を示すことが分かった。ピラー[6]アレーンは、吸着する蒸気の種類により結晶構造が異なり、それにより青色発光する一置換ベンゼン類があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は予期していなかった高分子の末端をも見分けて選択的に取り込むことを見出した。これより本研究課題は当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)分岐・直鎖構造を見分けることを利用して、脂肪酸の分離を試みる。ピラーアレーン結晶を不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の混合物、トランス/シス脂肪酸の混合物に浸漬させ、その分離能力について評価する。 2)キラル化合物の分離を試みる。ピラーアレーンの側鎖に不斉炭素中心を導入すると、ピラーアレーンの面性不斉が偏ることが分かっている。この結晶をキラルな基質に浸漬させ、その分離能力について評価する。
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[Journal Article] Separation of Linear and Branched Alkanes Using Host-Guest Complexation of Cyclic and Branched Alkane Vapors by Crystal State Pillar[6]arene2018
Author(s)
Ogoshi, T. Saito, K. Sueto, R. Kojima, R. Hamada, Y. Akine, S. Moeljadi, A. M. P. Hirao, H. Kakuta, T. Yamagishi, T.
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Journal Title
Angew. Chem. Int. Ed.
Volume: 57
Pages: 1592-1595
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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