2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Fundamental Study on analysis of pore structure of porous media and elucidation of generation mechanism of turbulence based on the analysis
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16H04421
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
重松 孝昌 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80206086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中條 壮大 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 講師 (20590871)
麓 隆行 近畿大学, 理工学部, 准教授 (30315981)
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 教授 (50216933)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 流体力学 / 多孔質体 / 乱流 / PIV・PTV / Immersed Boundary Method |
Outline of Annual Research Achievements |
多孔質体の複雑な3次元間隙構造を定量的に評価するため,X線CTを用いて乱積みした球・円柱・楕円体などで製作された多孔質体模型を計測するとともに,X線CTによって得られた情報を基に3Dプリンターを用いて多孔質体模型を再現・作製した.多孔質体模型は,直径10mmの球,長径20mm×短径10mmの楕円形,直径10mm×長さ10mmの短柱,直径10mm×長さ20mmの長柱を用いて,一辺40mm~80mm程度の直方体の容器にランダムに詰めて製作し,X線CT撮影を5回ずつ行って計測精度を検証した.得られた3次元画像に画像解析を施して間隙構造を計測し,計測のばらつきは小さいこと,構成材のアスペクト比が大きくなると間隙率が増加すること,構成材が角を有すると扁平な間隙形状の出現頻度が多くなることなどの特徴が明らかになった. 複雑な間隙形状を有する多孔質体を通過する流体の運動を高精度で推定するために,複雑な境界条件を厳密に課すことが可能な数値計算手法として,Immersed Boundary Method(IBM)を用いた数値シミュレーション手法を開発している.これまでは球を構成材とする均質間隙構造の多孔質体を対象として研究を遂行してきたが,非球体を対象としてIBMを適用するためのLagrange pointの配置方法の検討を行った.特に,厚みの極めて薄い平板に対して検討を行い,概ね流況を再現することができるようにはなったが,既往研究による作用流体力との整合性を向上させるためには更なる検討が必要であることが明らかになった. 一方,球体で構成される多孔質体の一部を取り除いて非均質間隙構造を対象として計算を行い,間隙構造の非均化によって多孔質体全体に作用する圧力降下量が6.4~7.8%減少することが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,3本の柱から構成されている. まず,「(1)多孔質体間隙構造の定量化」については,当初計画どおり,異なる形状で構成される多孔質体を製作し,これをX線CTで撮影して間隙構造の計測を実施するとともに,得られた情報に基づいて3Dプリンターを用いた多孔質体模型の製作を作成するに至っている.さらに,間隙構造の特性についても検討を行い,一定の成果を得るに至っている.ま 次に,「(2)多孔質体通過流体の流動計測」については,高速カメラの選定・購入に時間を有したため,実験を実施するには至っていない.ただし,非球体模型は既に入手済みであり,所有しているカメラと比較して遙かに高感度の高速カメラを購入することができたので,これまで蓄積した実験手法及び画像解析手法を駆使して,次年度には計画通りの成果が得られるものと考える. また,「(3)多孔質体通過流体の流動計算」においては,Lagrange pointの配置方法の検討は,必ずしも十分に達成できたとは言えないものの,一定の成果を得るに至っている.また,次年度の検討予定であった非均質な間隙構造を有する多孔質体通過流れに対しては,計算結果を得るとともに,一定の知見を得るに至っており,当初計画以上に進捗している. 以上より,本研究は,概ね順調に進展していると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
「(1)多孔質体間隙構造の定量化」については,引き続き,間隙構造の定量化の検討を行う.また,異なる粒径の粗骨材を用いたポーラスコンクリートを対象として,間隙構造の検討を行うと友に透水実験を行って空隙と透水速度との関係について検討する. 「(2)多孔質体通過流体の流動計測」については,非球体が単独で存在する場の3次元流動の計測を行い,Re数による物体周辺に生成される乱れ速度等の特性について検討する.また,平成28年度に製作した多孔質体模型の通水実験を実施し,間隙を流れる流体運動特性について検討し,間隙形状およびその分布が通水特性に及ぼす曳航について検討する. 「(3)多孔質体通過流体の流動計算」については,Lagrange pointの配置方法の検討を継続し,非球体周りの流体運動の解析を行い,上記の実験結果との比較により,計算手法の妥当性を検証する.また,比均一な間隙を有する多孔質体の解析を継続し,実験結果と比較するととともに,乱流生成メカニズムについての検討を行う.
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