2017 Fiscal Year Annual Research Report
ポーラスコンクリートの透水性能の高精度評価と集中豪雨時の都市防災機能の強靭化
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16H04448
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
畑中 重光 三重大学, 工学研究科, 教授 (00183088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 直生 三重大学, 工学研究科, 准教授 (30335145)
原田 守博 名城大学, 理工学部, 教授 (40165030)
坂本 英輔 広島工業大学, 工学部, 准教授 (40583539)
浦山 益郎 三重大学, 工学研究科, 教授 (50121380)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コンクリート / ポーラスコンクリート / 透水性 / 集中豪雨 / 都市水害 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 非線形ダルシー則に基づく高精度な透水性評価: POCの流速と動水勾配の関係は、乱流等の影響を受け、明らかに曲線的となり、既往の線形ダルシー則による近似では、動水勾配によって透水係数の値が大きく異なるため、透水挙動の予測時に極めて大きな誤差が発生する恐れがある。一方、非線形ダルシー則による近似では、高精度な近似が可能となる。昨年度は、非線形ダルシー則をPOCに適用し、代表例のPOCについて非線形透水係数の評価式を提示した。今年度は、これを低い動水勾配の条件化でも適用できることを一連の実験よって立証した。 (2) 水平方向透水試験: POC舗装内部の水の挙動を把握するために不可欠な水平方向の透水試験を昨年度に引き続き実施した。本年度は、実験要因を拡大し、より広範囲な実験結果を得た。また既設の大型POC製排水実験槽に各種の断面のPOC版を打設し、実大降雨実験によるPOC内部の水の流れを検証した。また、透水試験装置による実験結果を粒子法によるシミュレーション解析によって検証するため、2次元及び3次元のPOCモデル試験体を作成して水平方向透水試験を実施した。粒子法によるシミュレーションでPOC内部の水の動きをほぼ再現できつつある。 (3) 街区レベルの排水シミュレーション: 街区レベルの計画には、実大実験による評価の前段階として、提案する簡易透水モデルを用いた数値シミュレーションを行うことが望ましい。昨年度の解析によって、POC舗装では普通コンクリート舗装と比べて、街区からの雨水の流出水量のピークを大幅に遅延させ、かつピーク値を若干抑制できることが示された。本年度は、その効果の定量的な予測を行うため、解析ケースを増し、より汎用的な議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MPS法によるシミュレーション解析が軌道に乗りつつある。大型模型水槽も各種のPOCの打設が終了しており、水位の測定準備が終了し、また降雨の安定性を確保できるようになるなど、ほぼ順調な進捗状況といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度であるため、以下の項目を実施する。 1)MPS法によってPOC内部の水の動きをより精度よく再現するための留意点について取りまとめる。2)集中豪雨時のPOC内部の水の流れを予測するための手法を提示する。3)さまざまな条件を有する街区における豪雨の排水パターンについて取りまとめる。 その他、以下の事項も実施する。 4)POCの運搬による品質の変化を調べ、品質保証につなげる。5)POCの品質(空隙率)を非破壊的に知る手法を提示する。6)研究成果を国内外に公表する。
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Research Products
(17 results)