2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ICT-based disaster prevention system viewing from residents in traditional town with cultural heritage
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16H04478
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
三島 伸雄 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60281200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 慶子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (00128977)
有馬 隆文 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (00232067)
和久屋 寛 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264147)
林田 行雄 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90125162)
岡崎 泰久 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90253583)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歴史的町並み / ICT防災デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は住民目線によるICT地域防災デザイン支援基盤の開発であるが、本年度は、昨年度に引き続き、基盤開発に最も重要となる基礎情報の構築、ならびに基本となるシステム<1)災害危険箇所マップ作成支援システム、2)低平地における避難所キャパシティを考慮した高台避難の分析システム、3)AIを用いた避難経路探索システム>の構築をおこなった。研究モデル地は、佐賀県にある歴史的地方都市の一つで、佐賀の特色である低平地に位置する在郷町・宿場町・醸造町という特質を有する鹿島市肥前浜宿である。また、これに関連させて、タイ・チェンマイなどでのデータ作成と分析にも取り組んだ。 まず、基礎情報の構築については、区長会などの許可を得て住民への戸別訪問アンケートを行い、各住宅における家族の年齢構成、避難行動要援護者等を把握し、分析用のデータの再構築を完了させた。次に、1)については、昨年度問題指摘があった部分の改善を図った上で、住民数名にモニターになってもらい、災害危険箇所の追加入力を実施した。2)については、避難所キャパシティを考慮し、住民データを踏まえた避難シミュレーションを行い、高台避難に対して課題を有する地区の抽出を行うための方法論を構築した。また、歴史的景観の視線デザインや、住民の意見も踏まえた建物改修についても分析・提案をおこなった。3)については、昨年度までに構築した避難経路探索システムに、道路閉塞確率のデータを加味した避難経路探索のシステムの構築を行った。GISでのデータ分析方法等の構築については、タイ・チェンマイを対象とした研究にに展開させた。 これらの成果については、専門分野でのJournal誌や、12月にタイ・バンコクで開催されたICCC2017(韓国コンテンツ学会主催)、日本建築学会大会などで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までの目標は、基本となるシステムの構築である。その目標は概ね達成した状況であり、学会での発表をおこなうことができた。ただ、分析ツールが多岐に渡るため、これらをいかにGISで統合するかなどが大きな課題として残っている。統合できる環境づくりについて検討する時間がまだ必要であり、以上のことから「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の目標は、3つのシステムの個別の問題点について検討し、その解消を図りつつ、GIS上でデータを統合していくことである。そして、ビジュアルに見せることができるようにしていく必要がある。その結果得られた成果を住民等に還元し、分析結果をわかりやすく可視化できる方法について検討を進める予定である。
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Research Products
(15 results)