2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H04575
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本多 裕之 名古屋大学, 予防早期医療創成センター, 教授 (70209328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 竜司 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (50377884)
清水 一憲 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (70402500)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ペプチド / アレイ / 探索 / 細胞 / 機能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ペプチドライブラリーの構築と細胞内分子認識ペプチド探索の基盤技術の開発(本多、加藤) これまでに、細胞膜透過性ペプチド(CPP)としてオクタアルギニン(R8)ペプチドを用い、N末端にトリペプチドを、C末端にフォトリンカーを結合させた“細胞内導入ペプチドライブラリー”を構築し、ランダムトリペプチドの細胞内導入活性を評価した。本年度は、これを発展させ、細胞内切断リンカーをCPPとライブラリーペプチドの間に挿入することで、評価したいペプチドのみを細胞内に放つことができるライブラリーの構築を目指した。 ミトコンドリア透過孔をターケットとする細胞死誘導ペプチド(LNLISKLF)を対象とした。このペプチドはミトコンドリアに作用してミトコンドリア内のカルシウムを放出して細胞死に至らしめる。CPP付加体LNLISKLF-R8を合成し、ヒト乳腺がん細胞MCF-7への導入を試みた。配列置換ペプチドライブラリーを作製し、細胞死活性を同一視野/継時観察可能なインキュベーター顕微鏡で観察評価した。その結果、1残基置換体LNLIWKLF-R8で細胞死活性が約4倍高くなることがわかった。 2)高精度細胞形態評価法の開発(本多、清水) スポット合成したペプチドアレイは、光解裂後、96wellにパンチアウトし、細胞を播種し評価する技術を確立している。細胞死や細胞増殖に関しては数値化可能であるが、本研究では、さらに細胞形態の高精細分析を目指した。実際の細胞画像評価は位相差顕微鏡と画像解析ソフト「メタモルフ」を使用する。本年度は、同一視野/継時観察可能なインクb-ター顕微鏡で観察評価し、細胞の接着増殖、がん細胞死、筋芽細胞や神経幹細胞の分化の評価などに応用した。細胞死誘導ペプチドではミトコンドリアからの迅速なカルシウム放出の継時変化を観察でき、置換体ペプチドの機能改変の定量化に成功した。マイkロデバイスでの3次元骨格筋組織の収縮力測定にも応用し、デキサメタゾンによる筋委縮やIL6による委縮抑制の観察にも成功した(未発表データ)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内導入ペプチドとしてCPP付き直鎖ペプチドライブラリーの合成に成功し、細胞内で解裂するリンカーの導入にも成功している。また多孔性シリカビーズを用いたペプチドの吸着/放出にも成功しており細胞個々に別々のペプチドを導入する方法論も確立できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1)多孔性シリカビーズを用いたペプチドの捕捉/放出制御(本多、清水)ペプチドを吸着させた多孔性シリカビーズの作製し、アレイ配置した細胞へのペプチドの投与ペプチド吸着磁化シリカビーズによる細胞への投与法を検討する。 2)5000ペプチド程度が同時に評価できる少数細胞評価法の開発(本多、清水)10nmサイズの磁性微粒子を埋包した正電荷リポソーム(MCL)を取り込ませて細胞を高度に磁気ラベルする。別途開発している剣山状デバイスを使ってアレイ配置した細胞にシリカビーズに吸着させたペプチドを同時配置し、5000種類程度の細胞内導入ペプチドの機能を一気に評価する技術の開発を行う。 3)配列改変ペプチドによる細胞内微小構造体への結合評価(本多、加藤)探索した細胞内機能性ペプチドで、配列改変ペプチドライブラリーを構築し、より低濃度で細胞機能変化を惹起できるペプチドを探索する。
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