2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanisms underlying colorectal tumorigenesis driven by Wnt/c-Myc signaling
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16H04692
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川崎 善博 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任准教授 (10376642)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Wnt / c-Myc / lncRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
癌関連遺伝子の変異や発現異常が癌の発症・進展に深く関わっていることは良く知られている。大多数の大腸癌ではWntシグナル経路の異常亢進が起こっており、癌遺伝子c-Mycが細胞の癌化に関わる最も重要なWntシグナル標的因子の一つであると考えられている。本研究では、Wnt/c-Myc経路の標的因子として同定した新規lncRNA:MYUを手掛かりとして、Wnt/c-Myc経路が誘導する細胞癌化機構の理解に新たな局面を開き、大腸癌の新しい診断法や分子標的治療法開発の為の足掛かりを得ることを目的としている。 前年度までの研究によって、MYUはRNA結合タンパク質hnRNP-Kと結合することで細胞周期関連因子CDK6の発現を誘導すること、およびMYUによるCDK6の発現亢進が大腸がん細胞の増殖の大きな要因であることを明らかにした。一方で、MYUの発現抑制で起こる細胞増殖の抑制効果はCDK6だけでは説明できないこともわかり、CDK6以外にも重要な標的因子が存在していると考えられた。そこで、新たなMYU結合因子を明らかにするために、in vitroで合成したMYUをbaitとしてpull-down した産物をMS解析する従来の手法に加えて、MYUに対するアンチセンス鎖を用いて内在性MYUを含む複合体を単離・同定する新たな方法に挑戦している。現在までに、スクリーニングによって有望な領域を含むアンチセンス鎖を見つけることに成功している。今後、得られたアンチセンス鎖を用いた新たなMYU結合タンパク質の同定が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究から、MYUの機能が標的因子のCDK6だけでは十分に説明できないことが明らかになった。研究を進める上で新たな課題や展開も見つかり、研究の幅をさらに広げることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究を継続し発展させる。
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Research Products
(4 results)