2017 Fiscal Year Annual Research Report
Drug resistance mechanisms and therapeutic strategies in rare driver oncogene positive cancers
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16H04715
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
片山 量平 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 基礎研究部, 部長 (60435542)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 分子標的薬 / 耐性機構 / 耐性克服療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺線がんにおいては、EGFR、KRAS活性化型変異、ALK, ROS1, RET, NTRK等の融合遺伝子といったDriver Oncogeneが相次いで発見され、治療薬の開発が進められている。EGFRおよびALK陽性肺がんでは、複数の薬剤がこれまでに承認され実臨床で使用できるようになっており、ROS1融合遺伝子陽性肺がんに対してはALK阻害薬でもあるCrizotinibが承認され、実臨床で使用されている。しかし、いずれの薬剤に対しても数年以内に獲得耐性が生じることが臨床上問題である。29年度は、ERBB2のExon20挿入変異を有する細胞株を当該がん患者の胸水より樹立することに成功した。また、EGFRのExon20挿入変異の細胞株を新たに追加で樹立することに成功し、いくつかの候補薬剤とそれらに対する耐性機構の一部をIn vitroで発見した。その耐性機構の1つは薬剤の結合部位の1アミノ酸置換による変異であった。また、肺がんで非常に低頻度に見られるNTRK融合遺伝子について、現在臨床試験中の薬剤を含めて治療感受性及び抵抗性機構の解析を進め、5つの耐性変異とバイパス経路を介した耐性を発見し、さらにそれら耐性にも有効な薬剤や併用療法を発見し、論文として発表した。また、ROS1融合遺伝子陽性肺がんでは、ROS1阻害薬耐性細胞の解析から治療薬に依存して増殖するユニークな細胞の性状を明らかにすることに成功し、論文として報告した。また、EGFR変異陽性肺がんにおける新たな変異検出手法と、変異アリルの存在比率が次治療の感受性に関与する可能性を見出し、論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
各種低頻度Driver Oncogene変異を有する肺がん細胞株で現在購入ができないものについて、同意を頂いた患者検体(胸水、生検など)からの樹立に、28年度に引き続き複数成功しており、現在も引き続き作成中の細胞株も有している。 また、薬剤探索用のモデル細胞としてBaF3細胞に各種Driver Oncogene(EGFRやERBB2, NTRK1融合遺伝子などと、その薬剤耐性変異株)を過剰発現させ、Driver Oncogeneに依存した細胞株の作製が順調に進んでいる。強力な変異原物質であるENUを用いたスクリーニングも28年度に引き続き実施し、新たな獲得耐性の同定にも成功するとともに、in vivoゼノグラフトモデルで投薬を続けることにより耐性腫瘍を作成することにも成功しており、耐性機構の解析を進めている。 また、NTRK1陽性がんの多剤耐性変異と克服法を発見し報告することや、ROS1陽性がんの耐性細胞のユニークな特性について、EGFR変異陽性肺がんの変異アリル頻度と治療薬感受性についての論文発表等ができており、この点については予定以上の研究進捗といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度、やや予定以上の研究の進展が見られたため、引き続き下記の様に予定通り研究を進展させるとともに、予想以上の進捗のあったROS1陽性がんやEGFR陽性肺がん研究については、新規耐性機構解明、新規併用療法の検証等の研究を新たに追加して進める。 (1)各種低頻度Driver Oncogene変異を有する肺がん細胞株で不足するものを29年度に引き続き収集し、患者検体からの培養株取得も、これまでの研究で培ったノウハウを結集し、培養細胞株化をする。そして、各細胞株に対応する上記各種TKI等への感受性を検討するとともに、耐性症例からはその耐性機構の解明を目指す。 (2)各種低頻度Driver Oncogene産物に対する分子標的薬候補の探索のために、これまで作成してきた各Driver Oncogene (野生型と耐性変異型)を導入したBa/F3細胞を耐性変異が発見され次第作成するとともに、阻害薬候補の探索(併用療法を含む)を行う。また、引き続きENUやin vitro培養系、in vivoモデルによる耐性機構探索も行う。 (3)発見した耐性克服療法から、より効果的なものを探していくとともに、併用療法の可能性を含めて検討を進めていく。また、in vivoやin vitroで樹立してきた耐性細胞の中で、どうしてもメカニズムが不明なものがいくつかあるため、プロテオームを含めて新しい手法を駆使し、メカニズムの解明ち克服法の発見に努める。
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