2017 Fiscal Year Annual Research Report
小腸刷子細胞に発現する受容体の生理機能の解明と阻害物質の探索
Project/Area Number |
16H04919
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石丸 喜朗 明治大学, 農学部, 専任准教授 (10451840)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 受容体 / 消化管 / 代謝 / 免疫 / 遺伝子破壊マウス / 刷子細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小腸刷子細胞の頂端部に局在することを研究代表者自らが発見したオーファン受容体Xを鍵分子として、「小腸での食シグナルが脳を介して末梢組織のエネルギー代謝を調節する」という腸脳相関による代謝制御ネットワークにおける新たな分子機構を解明することを目的とする。また、最近報告された刷子細胞の2型自然免疫における機能とエネルギー代謝との関連を明らかにすることも目指している。 昨年度までのTALEN法に加えて、CRISPR-Cas9法を用いてオーファン受容体のホモ変異マウスを作出した。遺伝子Xに2塩基挿入のフレームシフト変異が導入されたマウスが獲得できた。高脂肪食で飼育したところ、TALEN法で作出したホモ変異マウスは野生型マウスと比較して低体重の傾向を示した。一方、CRISPR-Cas9法を用いて作出したホモ変異マウスは、現時点では野生型マウスと体重に差がないという予備的な結果が得られた。 昨年度までに、Sf9細胞を用いて発現・精製した受容体タンパク質と相互作用する分子のスクリーニング系の構築を試みたが、成功に至らなかった。そこで、今年度は新たに、うま味受容体の機能解析に成功している発光系を用いた高感度アッセイ系の構築を試みた。刷子細胞特異的に発現するオーファン受容体をキメラGタンパク質と共にHEK293T細胞に発現させて、様々な溶液に対する応答を調べた。その結果、ある溶液に対して応答することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高脂肪食給餌条件下の受容体欠損マウスが低体重を示すという表現型を明らかにし、発光系を用いたオーファン受容体の高感度アッセイ系を構築できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
受容体欠損マウスの表現型を、高脂肪食給餌を含めてさらに解析し、食行動やエネルギー代謝、免疫応答に与える影響を解明する。また、構築した発光系を用いたオーファン受容体の高感度アッセイ系を用いて、様々な食品成分などの探索を行い、活性化成分や阻害成分を同定する。
|