2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H05009
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
伊藤 寿浩 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (80262111)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | リモートセンシング / センサネットワーク |
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| Outline of Annual Research Achievements |
圧電MEMS聴診素子の開発と小型無線モジュールの検討を行うとともに、無線聴診デバイスで取得した音響データから心拍数や心拍間隔を計測するシステムの開発を行った。
圧電MEMS聴診素子については、温度を同時計測できるように、同一チップ（5 mm角）上に、AlN圧電カンチレバー型センサアレイと、その周囲にPt抵抗型温度センサとを集積化したデバイスを設計し、SOI基板とAlNスパッタ膜を用いる製造プロセスの開発を行った。
また、小型無線モジュールの検討に関し、無線電子聴診器を、子牛への装着負担が小さくかつ心音信号の取得が可能な胸底部に装着する心音測定デバイスを試作して、実子牛の心音測定を実施した。心音データには、牛の運動に起因する音や環境音などの雑音が含まれているが、これらの雑音の中には心音と同じ周波数帯域を持っているものもあるため、従来の閾値手法は、これらの雑音が小さい安静時あるいは拘束時にしか適用できない。そこで、新たに心音の特徴を抽出した波形に対してテープレートマッチングを行う手法を開発した。すなわち、心音のI音、II音の検出を心音信号波形のエンベロープを特徴量としたパターンマッチング法により行うことで、歩行中などのS/N比の低い環境下でのロバストな計測を実現した。実子牛２頭について、心電測定と心音測定の同時計測を行い、心電データから計測した心拍間隔との誤差率について、先行研究による閾値手法と提案手法でと比較を行った結果、提案手法による精度の向上を確認することができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、圧電MEMS聴診素子の試作を実施したが、皮膚と素子の間の中間層の検討を含むパッケージ技術の開発や小型無線モジュール化については次年度以降も継続した取り組みが必要である。一方で次年度以降に取り組む予定であった心音信号の処理技術に関しては、基本技術の開発を終えることができており、全体としてはおおむね順調に進展していると判断する。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度以降のカーフジャケット型デバイス化に際し、平成28年度の実子牛での実験結果や動物研究者との議論から、牛の運動に起因した信号ノイズの低減および信号レベル変動と、牛の装着負担の観点から、再度デバイスの形を検討すべきだと考えている。具体的には、畜産牛に日常的に利用されている首輪の形のデバイスを検討する。また、素子と皮膚との接触状態変化に起因した信号ノイズの発生を回避するため、、非接触型の聴診素子の検討を行い、より牛の装着負担が小さい高感度聴診デバイスの開発も行う。
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