2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H05055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
矢野 勝也 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00283424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 始彦 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00355538)
竹本 愛子 (田中愛子) 名古屋大学, 生命農学研究科, 学振特別研究員(RPD) (90464148)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオマス / CO2 / 窒素固定 |
Outline of Annual Research Achievements |
サツマイモ体内からエンドファイト細菌を単離し、ニトロゲナーゼ遺伝子(nifH)を有する系統を複数同定した。その中で、16s rRNAの部分配列に基づきKlebsiella oxytocaと同定されていた細菌系統を調査した。この系統が窒素固定能を有することをアセチレン還元法で確認し、無窒素培養条件下でも生育可能なことを認めた。また、この系統の全ゲノム配列を解析したところ、以前サトウキビから単離された細菌Kosakonia sacchari の SP1系統に最も近縁であることが判明した。サツマイモウイルスフリー苗を入手して解析した結果、エンドファイトが存在していることを確認した。抗生物質を含む培地で継代培養し、エンドファイトフリー個体の作成に取り組んだ。 異なるCO2濃度(約400ppm・800ppm)に設定した屋外グロースチャンバーにおいて、窒素施肥レベルを2段階(低・高)設けてサツマイモの土耕栽培を実施した。同時にカリウム施肥レベルも2段階設けたが、有意な変化が検出されなかったため各処理区にプールした。高CO2環境でサツマイモの全バイオマスおよび塊根収量は有意に増加したが、窒素施肥レベルでは有意な変化を確認できなかった。CO2濃度や窒素施肥レベルは地上部窒素濃度を有意に変化させなかった。植物体δ15N値を比較すると、トウモロコシよりもサツマイモの値が低く、より大気窒素のδ15N値に近いことからサツマイモが窒素固定していたことが推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初はウイルスフリー苗の作成に時間がかかる可能性を懸念していたが、それを入手することができたので時間短縮となったが、その苗には相当なエンドファイトが生息しており、それを除去する必要性が新たに生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
屋外チャンバー試験でサツマイモが高CO2に応答し、収量・バイオマスが大きく増加する結果が得られたので、シンク制限処理でその応答がどのように変化するかを解析していく。また、イネ科作物のようにシンク容量に上限があるものとの比較も検討する。
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Research Products
(4 results)