2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
矢野 勝也 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (00283424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 始彦 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00355538)
竹本 愛子 (田中愛子) 名古屋大学, 生命農学研究科, 研究員 (90464148)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオマス / CO2 / 塊根肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
サツマイモの塊根肥大を抑制することで、高CO2環境に対する応答が変化するかどうかを調査した。異なるCO2濃度(約400ppm・800ppm)に設定した屋外グロースチャンバーにおいて、サツマイモの土耕栽培を実施した。苗を植え付けてから約1ヶ月後に、すべての個体を一度ポットから取り出し、半数の個体には塊根に金網を取り付けてからポットに埋め戻した(塊根肥大制限処理有り)。また、残り半数の個体の塊根には金網を取り付けずにポットに戻すことを行った(塊根肥大制限処理無し)。低CO2に比べて、高CO2環境は気孔コンダクタンスを低下させていたが、塊根肥大制限処理の有無が気孔コンダクタンスに与える影響は小さかった。同様に、高CO2環境は葉身のデンプン蓄積を増大させたが、塊根肥大制限処理の影響は小さかった。塊根肥大処理開始後約3ヶ月目にサンプリングしたところ、塊根肥大制限処理によって塊根重量は特に高CO2環境下で大きく低下した。そして、個体全体の乾物重も塊根肥大制限処理によって有意に低下した。この結果から、塊根肥大が高CO2環境に対するサツマイモの応答に重要な役割を果たすことが推察された。ただし、塊根肥大制限処理は地上部への乾物分配を促進しており、これが気孔コンダクタンスや葉身デンプン含量にも影響したと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
塊根肥大が高CO2環境に対するサツマイモの応答に影響を与えることを把握できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
サツマイモ同様に他のイモ類で、高CO2環境に対する応答をさらに調査していく方針である。また、イネ科作物のようにシンク容量に上限があるものとの比較も検討する。
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Research Products
(4 results)
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[Book] リンの事典2017
Author(s)
矢野勝也ら
Total Pages
344
Publisher
朝倉書店
ISBN
978-4-254-14104-7