2016 Fiscal Year Annual Research Report
生体内因性分子をプローブとする磁気共鳴代謝イメージング法の開発
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16H05079
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
兵藤 文紀 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (10380693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 由紀 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (20390304)
三浦 大典 九州大学, 先端融合医療レドックスナビ研究拠点, 准教授 (40532627)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生体内因性分子 / ラジカル / 超偏極 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では内因性分子の①ハイスループットDNP-MRIシステムによる探索フェーズ、②DNP-MRI特性明確化フェーズ、③細胞・生体機能・疾患応用フェーズの三段階を主軸(兵藤担当)として進める。特にこれまで曖昧であった個々の内因性プローブが検出する生体代謝反応をメタボロミクスとの統合プラットホーム解析で、実質的な代謝物・代謝経路の動態を把握し、高精度な磁気共鳴代謝イメージングを実現する。故に分担研究では質量分析法(MALDI-MSイメージング、LC-MS)を内因性プローブの可視化に最適化し、統合解析する重畳システムを構築し、疾患応用へ展開する。最終年度にはタンパク質輸送体(かご型、針型)を用いたオルガネラレベルにおける磁気共鳴代謝イメージングへの展開を予定する。初年度は、内因性分子の探索の高速化は、後の生体応用への早期の展開に必要不可欠であるため溶液・細胞・組織溶液におけるラジカル特性を高速に計測するシステムを構築するため、温度、ガスをコントロールし、さらに多数のサンプルを同時計測できるシステムを構築した。この系を用いて内因性分子の探索をおこなった。特にこれまで検討していなかった神経伝達物質について基本骨格を基に検討を行ったところ、カテコール骨格を有するエピネフリンなどを含むいくつかの分子についてもラジカル化、DNP-MRIによる可視化が可能であることがわかった。また反応性実験においては、CoQなどのラジカル中間体は速やかなレドックス反応を有するのに対し、フラビン系においては、非常に特異的な反応を示すことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り順調に探索が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度は、昨年度探索した分子について、生体応用性の検証を進めるとともに、DNPーMRIによるエンハンスメントなどの物理特性も検討する。 さらに酸素に鋭敏に反応する生体内因性分子については、疾患モデルでの検証を開始し、プローブとしての有用性を明らかにする。
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