2019 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of protease activities on the epithelial cell surface and its significance in epithelial disorders.
Project/Area Number |
16H05175
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
片岡 寛章 宮崎大学, 医学部, 教授 (10214321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 直樹 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (90304998)
石田 洋一 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (90510454)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プロテアーゼ制御 / 腸管上皮細胞 / がん組織微小環境 / HAI-2/SPINT2 / HAI-1/SPINT1 / PAR-2 / 細胞膜結合プロテアーゼ / 上皮完全性維持機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
HAI-2(Spint2)のコンディショナルノックアウト系の作成に成功し、生後6週間で全身のHAI-2を欠損させたところ、腸管に強い粘膜障害が生じ、マウスは致死となった。腸管上皮細胞オルガノイド培養を行って検証したところ、HAI-2欠失誘導はEpCAM切断、claudin 7不安定化をもたらすことが明らかになった。オルガノイドにみられたこのHAI-2欠損の影響は、GPIアンカー型膜結合セリンプロテアーゼであるプロスタシ(Prss8)を同時に欠損させることで回避できた。また2型膜貫通セリンプロテアーゼであるマトリプターゼの特異的インヒビターによっても抑制できた。マトリプターゼがEpCAMを切断することは既知であることから、HAI-2はプロスタシン→マトリプターゼのプロテアーゼカスケードを抑制し、この制御機構の破綻はEpCAM切断とそれに伴うclaudin 7不安定化によって腸上皮結合の不安定化をもたらすことが明らかとなった。しかし、オルガノイドではプロスタシン失活やマトリプターゼ抑制によってHAI-2機能不全による異常を抑制できるにも関わらず、in vivoマウスではプロスタシンの同時欠失やカモスタット(合成セリンプロテアーゼインヒビター)投与でHAI-2欠損による腸上皮破綻を防ぐことはできなかった。このことは、HAI-2にはin vivoにおける上皮完全性維持に重要な、まだ未知の機能が存在することを示している。 一方、HAI-1は発がん抑制因子であり、Apc変異マウス腸管のHAI-1を欠損させると腸腫瘍形成が増加する。このメカニズム解明を進め、HAI-1機能不全に伴うプロテアーゼ活性の亢進がPAR-2過剰活性化をもたらし、発がん亢進につながっていることを明らかにした。 これらの結果は、HAI-1とHAI-2が生体における新たな腸上皮完全性維持機構であることを明示している。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)